オーバードライブの中には定番と呼ばれるモデルがありますが、BOSSのブルースドライバー(BD-2)はそのひとつです。世界中のギタリストのエフェクターボードに並ぶブルースドライバーですが、その魅力はどこにあるのでしょうか。こちらにはブルースドライバーの情報や音作りのポイントをご紹介いたします。
この記事のポイント
ブルースドライバーとは?
ブルースドライバーはブルースはもちろん、ギターロック、ガレージ、グランジなど幅広いジャンルで活躍するオーバードライブです。その歴史や特徴を知ることで、より使いこなせるでしょう。こちらに集めた情報を活用してください。
ブルースドライバーの歴史
数あるBOSSのエフェクターの中でも、ブルースドライバーはロングセラーモデルのひとつです。そんなブルースドライバーはどのような経緯で誕生したのでしょうか。
アンプライクな歪みが求められた
ブルースドライバーが発売されたのは1995年3月のこと。この時期はFenderやMATCHLESS、Bad Catなどのアンプメーカーが、ハンドワイヤード(機械ではなく手作業で作られた)のアンプを販売。こういったアンプは高級品であることからブティックアンプと呼ばれました。
ブティックアンプは非常に上品で艶のあるサウンドがあり、世界中のギタリストから注目されていたのです。しかし簡単に手が出せる値段ではありませんので、ブティックアンプのサウンドに近いアンプライクなオーバードライブが求められたのです。そこでBOSSはブルースドライバーを発売しました。
90年代のMATCHLESSは70~80万円で取引されていますね。中には100万円を超えるアンプも…。一度は弾いてみたいアンプです!
安価なマルチエフェクターへの対抗
1995年にブルースドライバーが発売されましたが、その当時エフェクターの世界では安価なマルチエフェクターが数多く発売されていました。
今でこそマルチエフェクターはリーズナブルかつ優秀なサウンドで、多くのギタリストが使用しています。しかし当時のマルチエフェクターはデジタル臭い平面的な歪み、チープな空間系、使い道のない飛び道具系など、多彩ではあるものの実践向きとは言えませんでした。
そこで登場したのがブルースドライバーです。ギター本来のサウンドをしっかり聴かせるシンプルなオーバードライブで、安価なマルチエフェクターとは対象的なエフェクターでした。そのためより多くのギタリストに知られることとなったのです。
今のマルチエフェクターは当時とは完全に別物ですね。“なんでこの値段でこんなに良い音するの!?”と驚いてしまいます!
ブルースドライバーの特徴
定番のオーバードライブであるブルースドライバーですが、どのような特徴があるのでしょうか。サウンドだけでなくニュアンスや使い勝手もご紹介します。
ブルースドライバーのサウンド
ブルースドライバーは世界中のギタリストを魅了していますが、そのサウンドはどんな特徴があるのでしょうか。僕なりのイメージをお伝えします。
セクシーなトーン
ブルースドライバーを使うのであれば、そのセクシーなトーンを楽しんでもらいたいですね。ほんのりクランチにしたセッティングで、フロントピックアップで弾いてみましょう。その理由が分かってもらえるはずです。
角が取れたまろやかなサウンドでありながら、しっかりとした太さがあります。バンドサウンドの中でも抜けるトーンでしょう。ハムバッカーでしたらよりマイルドに、シングルコイルでしたら少し透明感があります。どちらも魅力的です。
ブルースドライバーとフロントピックアップの相性は最高!僕のイチオシです!
粘りのあるチョーキング
ブルースドライバーですからブルースにもうってつけのサウンドです。クランチにしてリアピックアップでチョーキングをしてください。その粘りのあるサウンドはブルースにピッタリ。
ブルースギターって人間の歌声に近いものだと思うんです。そのためにはこの粘りが欠かせません。このセッティングでブルージーなアルペジオを弾いても良いでしょう。
イメージとかけ離れた激しい歪み
エフェクターの名前やルックスだけで、ある程度のサウンドをイメージしてしまうもの。ブルースドライバーでしたら誰もがブルースをイメージするでしょう。しかしGAINを上げるとしっかりと芯のある歪みになるんです。
高出力のハムバッカーであれば十分なハードロックサウンドが可能です。ブルースドライバーを使うのであれば、その名前による先入観を一度捨てましょう。
この歪みには驚きましたね。先入観を捨ててサウンドメイクしましょう
チューブアンプのブースター
チューブアンプにオーバードライブをつなげて、ブースターとして使うことがあります。BOSSのスーパー・オーバードライブやIbanezのチューブスクリーマーが定番ですが、ブルースドライバーもオススメ。
ブースターをつなぐことで、ギターの音が一歩前に出て来るんです。これは歪みだけでなくクリーントーンにもオススメで、サウンドに太さとツヤが加わります。一度は試す価値があるでしょう。アンプシミュレーターにアナログ感を出すために使うギタリストもいます。
ピッキング・レスポンス
ブルースドライバーはアンプライクなエフェクター。そのためアンプに直でつないだようなピッキング・レスポンスの良さがあります。エフェクターをつなげるとどうしても音の立ち上がりが遅くなりますが、ブルースドライバーであればその心配がありません。
アン直に慣れているギタリストも、ブルースドライバーであれば違和感無くプレイができるでしょう。ピッキング・ニュアンスもしっかり出せるので、ギタリストのイメージをそのまま出すことができます。
ニュアンスがでやすいエフェクターなので、ミスもごまかすことができません。ブルースドライバーを使いこなすギタリストは、本当のテクニシャンと言えるでしょう
ギター・ボリュームの反応
ブルースドライバーはアン直に似たニュアンスがあるので、ギター・ボリュームの反応の良さがあります。しっかりと歪ませた状態でも、ギターのボリュームを下げることでクランチになるでしょう。
たとえばセッションに参加する場合、どのようなセッティングにして良いか迷ってしまいます。しかしブルースドライバーであればギターのボリュームで歪み量の調整ができるので、どのようなセッションでも対応可能です。
“アン直(ちょく)”とはエフェクターを使わずに、ギターとアンプだけでプレイすることです。“直アン”と呼ぶギタリストもいますね
ブルースドライバーのセッティング
僕なりに考えたブルースドライバーのセッティングをご紹介します。ギターはツーハム、アンプはJC-120でTREBLE11時、MIDDLE1時、BASS11時、BRIGHTはOFFです。ぜひサウンドメイクの参考にしてください。
ツマミの特徴
ブルースドライバーのサウンドメイクにおいて、GAINとLEVELについて知っておきましょう。
GAINは歪み量なので、上げることでエフェクター的な歪み方をします。そしてLEVELは上げることで音量が上がるのですが、10時を過ぎたあたりでチューブアンプのようなナチュラル・オーバードライブがかかるんです。両者の歪み方に違いがあるので注意しましょう。
積極的に歪ませるならGAIN、アンプライクでナチュラルに歪ませるならLEVELを中心にサウンドメイクをしてください。
GAINとLEVELの両方を上げると、僕の耳にはバリバリした汚い歪みに聴こえるんですよね。あまりオススメできません
セクシーなトーン
個人的にブルースドライバーの魅力ってセクシーなトーンだと思うんです。まずはLEVELは10時にしてください。これであれば歪まないギリギリのラインで、なおかつ適度な太さが出せます。
そしてメインの歪みはGAINを上げて作ります。これは9時で十分ですね。これ以上はサウンドにトゲが出てしまいます。TONEは適度にまろやかさを出すために11時にしました。
このセッティングにしてフロントピックアップで弾いてください。このセクシーなトーンが本当に最高なんです!
ニュアンスを出すリード
ピッキング・ニュアンスを少しでも出したいのであれば、アン直に近いセッティングにしてください。そのためLEVELを上げて歪ませましょう。12時くらいでチューブアンプのような、ナチュラルなオーバードライブになります。 LEVELで歪ませているので、GAINは8時で十分です。これ以上は汚い歪み方になってしまいます。ぜひリアピックアップで弾いていただきたいので、トーンは10時にとどめておきました。
ダイナミクスがつけやすいので、エモーショナルなギターソロにピッタリです!
クランチ
ガレージやパンクなどに向いたジャッキジャキのクランチもオススメ。LEVELは歪まないギリギリの10時でにしましょう。GAINで歪ませますが、ハムバッカーなら11時半で十分です。シングルコイルでしたらもう少し上げてください。 TONEを上げ過ぎるとイヤなギラツキが出てしまうので11時にしました。適度な攻撃性を持つ、バランスの良いサウンドです。
このセッティングはドライブ感のあるカッティングにも向いていますよ!
ハードロック
ブルースドライバーはしっかり歪むオーバードライブなので、ハードロックにも十分対応しています。エフェクター的な歪みにするためGAINを4時まで上げました。音が潰れずに粒立ちの残った歪みです。
LEVELは10時ですね。歪まないラインであり、サウンドにパワーを与えることができます。TONEはお好みですが11時半~12時にしました。
ブースター
ブルースドライバーはチューブアンプをプッシュするブースターにも最適です。LEVELはマックスでGAINはゼロ。一般的なブースターと同じセッティングですね。TONEはお好みですが、ギラツキを抑えるために10時にしました。
ブルースドライバーの感想
僕にとってブルースドライバーといえばセクシーなトーンですね。まるでチューブアンプのようなマイルドなトーンが手軽に出せます。シンプルに歪ませる目的でブルースドライバーを買ったギタリストも多いでしょうが、このセクシーなトーンを目指した音作りをしてみましょう。きっと驚くはずです。
それとアンプライクなピッキング・ニュアンスですね。ごまかしの効かないサウンドですが、使いこなすことでギターが歌い出すでしょう。基本的によく歪むシンプルなオーバードライブなので、10代のギターキッズにもオススメ。ひとつ持っていれば、自分の成長に合わせて色々な使い方ができるエフェクターですよ。
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