パナソニックの音響機器部門として設立されたTechnics。1970年に発売されたターンテーブル・SL-1200シリーズは、いまやレコードプレーヤーのデファクトスタンダードとして世界中で愛用されています。そんなSL-1200ですが、中古で売る場合一体いくらになるのでしょうか?
この記事のポイント
高値の買取価格が期待できるSL-1200とは?
SL-1200は初代から現在はMK7まで様々機種が存在します。また、高級機種や限定モデル等の高い買取価格がつくモデルもございます。高価買取が期待できるSL-1200をご紹介します。
ユーザー数の多い機種は高価買取が期待できる
リスニングとしての使用はもちろん、スクラッチやクラブDJなど、楽器としても様々な用途で用いられるSL-1200ですが、モデルごとでそれぞれ異なる特色が存在します。国内外問わずユーザー数の多いモデルの場合は、高額査定となりやすいです。いくつか代表機種をご紹介しましょう。
SL-1200MK3
SL-1200シリーズの中でもロングセラーとなっていたモデルです。90年代のクラブカルチャーを支えた名機と言っても過言ではありません。
駆動モーターは一体構造ダイレクトドライブモーターを採用し、旧来モデルよりも素早く定速に達するようになりました。また、MK2時代と同様ターンテーブル裏側やモーター、トーンアーム、ダストカバー取り付け部に防振・耐震用の特殊ゴムが接続されており、安定した再生・DJプレイを実現できる機種です。
SL-1200MK3D
SL-1200MK3Dは、SL-1200MK3をグレードアップしたモデルです。MK3との最大の違いはリセットスイッチが備わっている点でしょう。
MK3では±0地点にクリック感が生じ、その感覚をもとに原曲のピッチへ設定するわけですが、MK3Dでは「reset」ボタンを押すことで、ピッチスライダーが無効化され、原曲のテンポで再生ができるようになっています。
また、ダストカバーのヒンジが無い、シェルスタンドが増えている、電源部分の形が変更されているなど、よりDJユースを意識したモデルです。
SL-1200MK4
MK4はDJ用途ではなく、主にリスニング・ピュアオーディオ向けに作られたモデルです。78回転のSP盤の再生も可能となっており、音声出力用のピンコードが着脱可能な点も特徴的な機種です。
SL-1200MK5
MK5はMK3Dをよりアップデートする形で発売されたモデルです。resetボタンやシェルスタンドなどのMK3Dの特徴に加え、スタイラスライトが豆電球からLEDへ変更となり、ブレーキ調整などが可能になっています。
また、針圧調整を行うアンチスケートも3gから6gまで増えており、より細かな調整が可能になりました。00年代に入ってから発売されたモデルでもあるため、市場人気も高い機種です。
SL-1200MK5G
MK5GはMK5の更に機能がいくつか追加されたモデルです。この機種以降、スタイラスライトが、より針の溝が見やすい青色のLEDとなっています。
大きな魅力は連続可変ピッチの幅でしょう。従来機は最大±8%までしか調整が行えませんでしたが、MK5Gではその倍の±16%まで調整が可能になっています。また、センタークリックがなくなったことで、より自由なピッチ可変・調整が可能になり、DJプレイもしやすくなりました。
水平加重調整によって、針飛びを軽減する機構が新しく備わり、スクラッチ時などのプレイがより安定するようになったのも大きな魅力です。
SL-1200MK6
音質面を向上させる形で2008年に発売されたモデルがMK6です。発売から日が浅いモデルのため、従来機種よりも高価買取が期待できます。青色のスタイラスライトや、水平荷重機構などは同様のままですが、連続可変ピッチの幅は±8%の形に戻っています。
MK6の最大の特徴は徹底した共振対策とアーム部分の改良です。この改良によって従来のモデルよりも、硬質な低音感とステレオ感が再現できるようになりました。
SL-1200MK7
MK6の11年後である2019年に発売されたMK7は、発売から日が浅く、高価買取が期待できるターンテーブルです。スタイラスライトのLEDの色が赤・青で選択できる点や、逆回転が可能になった点など、プレイヤビリティが格段に向上しています。
また、コアレス・ダイレクトドライブ・モーターが採用されており、従来機種よりも安定した再生と、高音質化が実現しました。
ピッチも±8%と±16%を切り替えられるようになっており、シェルスタンドの実装、センタークリックの廃止など、よりDJ用途として優れたターンテーブルになっています。
高級機種として発売されているモデルは買取価格も高額
SL-1200には高級機種として販売されているモデルも存在します。これらは買取価格も高額となりやすいです。いくつか代表機種をご紹介しましょう。
SL-1200G
2016年に発表されたSL-1200Gは「グランドクラス」の名を冠する高級機種モデルです。コアレス・ダイレクトドライブ・モーターと呼ばれる従来になかった高い回転精度を誇るモーターが初めて搭載されたのはこの機種で、培った技術はMK7にも引き継がれているほどです。
またプラッター構造や筐体構造も高い耐振動性を誇り、仕上げもゴールド・マットシルバーなど高級感漂う充実の仕様となっています。
また、DJ用途で実装されていない78回転のSP盤を再生する機能も付いている点や、±16%まで回転数が調整できる点など、レコードプレーヤーとして申し分のない機種です。
SL-1200GR
SL-1200GRは、SL-1200Gの廉価版モデルです。筐体構造や細かな素材変更などでコストダウンを図っている機種ではあるものの、コアレス・ダイレクトドライブ・モーターや基本性能自体はSL-1200Gと変らないスペックとなっており、こちらも高価買取となりやすいモデルです。
限定モデルは市場価値が高く買取金額も期待できる
SL-1200シリーズには生産台数が限られている限定モデルがいくつか存在します。これらは市場価値も高く、高価買取になりやすいです。いくつかご紹介しましょう。
ゴールド仕様の限定モデル:SL-1200GLD
SL-1200GLDは生産累計300万台を記念して発売された、ゴールド仕様のモデルです。MK5Gを基にしている特殊仕様モデルで、トーンアームなどのゴールドパーツには24金メッキを使用しています。また、上面なども光沢ブラック仕上げになっているなど、徹底してゴージャスな仕様になっている点が特徴です。
3,000台限定で生産されており、限定シリアルナンバーが刻まれたプレートが装着されているなどオンリーワンな一台になっている点などから、高価買取となるモデルと言えます。
35周年記念の国内限定モデル:SL-1200 MK6K1
SL-1200シリーズ生誕35周年を記念して生産されたSL-1200 MK6K1は、SL-1200MK6の発売に先駆けて1000台限定で発売されたモデルです。基本的なスペックは変わりませんが、インテリアとして利用できるオリジナルゴールドディスクや、SL-1200シリーズの歴史が一冊にまとまった特製ブックレットなどが同梱されており、貴重なモデルとなっています。
テクニクス50周年の記念モデル:Grand Class SL-1200GAE
2016年にテクニクスの復活と銘打ち、世界で1200台、内国内は限定300台で販売を行ったモデルです。2016年4月12日に予約受付が開始され、たった30分で完売してしまったという非常にレアリティの高いモデルです。この完売をきっかけとしてレギュラー販売がされたのが、のちのSL-1200Gなのですが、当然所持している人の数も少なく、極めて貴重なモデルと言えるでしょう。
買取価格に影響を与えるSL-1200の改造や状態
SL-1200を所持している人の中には、プレイヤビリティ向上・音質向上のために改造を行っているという方もいるでしょう。SL-1200の買取価格に影響を与える改造や状態について解説します。
ケーブルの改造
経年劣化や音質向上を図るため、出力ケーブルなどを変更しているケースも多いでしょう。純正仕様からは異なってしまうため、買取価格へは影響が生じてしまいます。
ただ、変更を行ったケーブルの種類や工房などでの安定した施工を行っている場合などであれば、買取価格に影響が出にくい場合もあります。
スタイラスライトの修理・変更
MK5以降はスタイラスライトがLEDとなりましたが、それ以前のモデルは豆電球のため、フィラメントが切れてしまうなどの状況がありました。そのため、交換を余儀なくされる場合があります。
こちらも純正パーツからの交換にはなるため、買取価格に多少影響が生じる場合があります。ただ、こちらも改造の施工状況による場合が多く、まずはご相談いただく形をおすすめします。
プラッター内へのLEDの取り付け
ターンテーブルの見栄えをよくするために、プラッター部分が光る用LEDライトを設置する改造などを行うケースもあるでしょう。改造キットなども登場しており、身近な改造・カスタムの一つと言えます。この場合も純正仕様とは大きく異なってしまう為、買取価格に影響が出てしまうでしょう。また、プラッター内の基盤に手が加わっている場合は、その後の機材使用に関わるケースもあるため、ご申告・ご相談いただく形をおすすめします。
Technics SL-1200を買取査定に出す際の注意点とは
Technics SL-1200を買取査定へ出す場合、まずは傷や汚れがないかをチェックしましょう。また、購入時の箱や説明書、保証書などといった付属品も揃えて査定依頼をすることが大切です。
よくある質問