高額なクラシックギターやヴィンテージギター、サックスやトロンボーンなど、ローンを組んで楽器を購入した方もいるかもしれません。返済のために泣く泣く売却を検討する際、楽器の買取屋さんはクレジット・ローン支払い中のギターその他楽器も買取できる場合があります。
ここでは、一般的にローン契約中の楽器買取が難しい理由をお伝えします。
この記事のポイント
高額な楽器に後悔するのは売却時
高額なギターやサックスを買って後悔するのは売却時です。ローン返済の代金が高くて返済に行き詰まる人は楽器を買わなければよかったと感じると思います。なぜ、このような状況になるのでしょうか?
飽きっぽい方やコレクターはローンが不向き
たとえば、飽きっぽい性格の方やコレクター癖が強い方はローンを組んで楽器を購入するのはおすすめしません。興味が目移りしたときにローン契約中の楽器の買取価格が安くて後悔するからです。みなさん、売るタイミングでこんなはずじゃなかったと後悔していました。
はじめての楽器購入時のローン契約は注意
ほかに、練習が難しくて挫折するとお考えの方もローンを組んで高い楽器を買うべきではありません。もし弾かなくなる可能性があるなら高額なお金を支払ってローンを組んで楽器を買うのはやめておきましょう。
ローン支払い中の楽器買取が難しい理由
ローン支払い中の楽器の買取をお断りする楽器屋さんは少なくありません。ギターやサックスの所有者が異なる場合が多いからです。なぜローンがある楽器買取は難しいのでしょうか?
楽器購入時のローン契約の仕組み
ローンを組んで楽器を購入するときは、金融機関やローン会社が購入者の代わりに一括で代金を支払います。したがって、ご自身の手元に楽器はあっても法律上の所有者は金融機関です。所有者がご自身ではないのでローンを組んでいるときに勝手に楽器を売却できません。
ギターやサックスなどの楽器売却が自由にできるタイミングはローンを完済した後です。ローン返済中に楽器を売るのはカード会社が規約違反として明記しています。また、現実的に立件されることは極めてまれですが横領罪で刑事事件になる可能性もあるためご注意ください。
ショッピングローンの所有権はカード会社
クレジットカードの分割払いやリボ払いは借金している感覚がない方も多いかもしれません。しかし、分割払いやリボ払いは楽器の購入代金をカード会社が代わりに支払っています。そのため、ローン期間中の楽器の所有者はカード会社です。
当然、ローン契約中の楽器を勝手に売却するのは禁止です。違法行為に協力してしまう可能性があるため、楽器の買取屋さんはローン契約中の楽器買取時に確認させていただくことがあります。
関連ページ:一般社団法人日本クレジット協会|クレジット教育実践の手引き
割賦販売の所有権は楽器屋
割賦販売はローンと似たような分割払いの仕組みですが所有権は楽器屋さんにあります。たとえば、ギターを割賦販売で買ったときの所有者は楽器屋さんなので、その楽器屋さんの許可なくギターを買取に出すことは禁止です。
高額な楽器の売買が発覚するリスク
買取価格が100万円を超えるクラシックギターやヴィンテージギター、ヴァイオリンなどの楽器はローン発覚のリスクが高いです。カード会社側も高額な楽器の売買には注意しています。高額な楽器の買取の場合、楽器の買取屋さんもローンの有無を含めて慎重に査定するケースが多いです。
所有権の登記がないため発覚リスクは低い
楽器は、土地や建物といった不動産と違って動産扱いを受けます。法律上、動産は所有者の権利が移るときに登記をする必要がありません。ギターやサックスのように持ち運びしやすい楽器に限らずドラムでも同様です。
楽器ローンの返済行き詰まりが発覚の主な原因
多くの場合、債務者が楽器のローンを返済できずに行き詰まったタイミングでカード会社に発覚します。返済中の楽器を売るときは、生活が苦しくて買取の依頼を検討している人も少なくありません。できたら一括返済のために楽器の売却を検討しましょう。
カード会社に売買の事実が発覚した場合の措置
多くのカード会社は、ローン支払い中の楽器を勝手に債務者が売買した場合、ペナルティを科します。カード会社の規約違反や法律違反による刑事事件の立件などです。ローンの残債の一括支払いは当然のこと、カード会員の永久追放の可能性もあります。刑事事件に発展しなくともクレジットカード会員への加入が難しくなるためむやみに楽器買取を依頼するのは控えましょう。
ローン契約中の楽器買取ができる事例
ローン契約中の楽器はすべてが買取不可になるわけではありません。合法に買取できる事例もあります。
キャッシングローンで現金を借りる
楽器を購入する前にキャッシングローンを組んで現金を借りた場合、楽器屋さんには現金を支払います。このようなケースでは楽器の所有者が自分になるため違法ではありません。
ローン契約の楽器所有者が自分
カード会社の規約に違反しておらずローン契約時の楽器所有者が自分の場合も違法性はありません。所有者が自分にあるため楽器を売却するのも自由です。
ローン返済中の楽器買取の依頼は要注意
現実はローン返済中の楽器買取を実施する楽器屋さんは少なくありません。
ただし、厳密には残債があると法律に抵触する可能性があるため、もしローン支払い中の楽器でしたら事前にお知らせください。買取可否についてはお電話でも確認できますので、一度楽器の買取屋さんへお電話いただけますと幸いです。