高級感のあるルックスとサウンドで、今やストラトキャスターやレス・ポールと並ぶ存在となったポール・リード・スミス。高級ギターのイメージがありますが、廉価モデルのSEであればビギナーや学生でも十分に手が届く価格帯です。
人気ギターであるポール・リード・スミスの魅力をご紹介しましょう。
この記事のポイント
ポール・リード・スミスとは?
ポール・リード・スミスはロックやブルース、カントリーはもちろんのこと、ヘヴィメタルやデスメタルでも使用されています。
ポール・リード・スミスの歴史やスペック、愛用ギタリストなどをお伝えします。
ポール・リード・スミスの誕生
ポール・リード・スミスは1985年に創業しました。FenderやGibsonなどと比べると非常に若いギターメーカーと言えるでしょう。
メーカー名は創業者であるポール・リード・スミスが由来となっており、ポール自身は大学在学中の70年代からエレキギターの制作に取り組んでいました。
ポール・リード・スミスはGibsonの社長であったテッド・マッカーティーから、本格的にギター製作を学ぶこととなります。 ストラトキャスターとレスポールの良い部分を組み合わせ、アーチトップの美しい加工を施したポール・リード・スミスが誕生しました。
これは1985年のことです。 ポール・リード・スミスはカルロス・サンタナ、デレク・セント・ホームズなどのギタリストが使用し、たちまち世界でもトップ人気のギターとなったのです。
デレク・セント・ホームズの知名度は低いですが、Ted Nugent Bandのメンバー。Aerosmithのギタリストのブラッド・ウィットフォードとも活動し、1981年にはWhitford/St. Holmesという名義でアルバムを1枚出しています。これが極上のアメリカンハードロックなんですよ!
ポール・リード・スミス・カスタムのスペック
ポール・リード・スミスは美しい造形を持つギターですが、機能面も追求されています。スペックを知ることでその魅力が分かることでしょう。
ポール・リード・スミスの代表モデル、ポール・リード・スミス・カスタムの各パーツを解説します。
ボディ
ポール・リード・スミス・カスタムのボディ材はマホガニーバックとメイプルトップで、レス・ポールと同様です。温かくパワフルなサウンドで、ロングサスティーンを実現しました。
ポール・リード・スミス・カスタムといえば見事なボディ加工です。施されたアーチトップにより高級感が演出されています。これは廉価モデルのSEも同様の加工となっており、廉価モデルだからといって見劣りしません。
さらに上位モデルは外周がカービング加工されており、より複雑で美しい造形です。
またカッタウェイ部分にもコンター加工が施されているため、ハイフレットへのアクセスも容易。ポール・リード・スミス・カスタムは機能面も十分に考えられています。
インレイ
ポール・リード・スミス・カスタムはボディのアーチトップ加工も見事ですが、指板のインレイも見事。
羽ばたく鳥のインレイであることからバードインレイと呼ばれ、実はポジションごとに鳥の種類が異なります。こういった細かい演出はポール・リード・スミスの人気のひとつでしょう。
僕はすべて同じ鳥のインレイだと思っていました…。これはオドロキです!
バードインレイの他にムーンインレイと呼ばれるインレイもあります。これは月の満ち欠けを表現したもので、バードインレイとは異なる美しさです。
トレモロ
ポール・リード・スミスのブリッジはストラトキャスターのシンクロナイズド・トレモロと似た機構ですが、非常にタッチが柔らかくアーミングに不慣れな方でも非常にスムーズです。
さらに肉厚なブリッジプレートがサドルを挟み込んでいるため、チューニングを安定しながらロングサスティーンを実現しています。このトレモロ・ユニットは特許取得済みです。
個人的にアーミングが大好きなんですが、このトレモロはタッチが軽くて本当にオススメです!
ペグ
ポール・リード・スミス・カスタムの上位モデルは、ロック式のペグが搭載されています。
シュパーゼルやマグナムロックと異なり、ヘッドの表から弦をロックするシステム。これによってチューニングの安定性がアップし、弦の交換も楽になります。
ロックペグは本当に楽なので大好きです。弦交換を楽にするため、僕はフロイド・ローズのギターもロックペグにしてますから。“ロックペグは音が変わる”という人もいますが、僕はそれほど気になりません。それ以上のメリットがあると思いますよ!
3種類のセレクター
ポール・リード・スミス・カスタムのピックアップ構成はツー・ハムバッカー。セレクターによって切り替えますが、そこには3つの種類があります。
どれもポール・リード・スミスならではのこだわりがあるので、ぜひチェックしてください。
5WAY
ストラトキャスターのように5WAYセレクターが搭載されています。これによってコイルタップのシングルサウンドを出すことが可能です。
リア→フロントの順番で以下のようなピックアップ構成で出力されます。
-
- リアハムバッカー
- リアハム+フロントシングル
- リアハム+フロントハム
- リアシングル+フロントシングル
- フロントハムバッカー
ストラトキャスターに近いハーフトーンも出せますので、ストラトキャスターに慣れたギタリストであればポール・リード・スミスをスムーズに使いこなせるでしょう。
僕はギターソロで頻繁にピックアップを切り替えるんですが、5WAYが一番使いやすいですね。慣れの問題だと思いますが。
3WAY
3WAYのトグルスイッチはリア、リア+フロント、フロントの切り替えができますが、それだけではありません。
トーンポットにプッシュ・プルの切り替えがあり、プルアップにすることでコイルタップされたシングルサウンドになります。そのためシングルサウンドでも3種類を切り替えることが可能です。
これによって6種類のサウンドが使えるため、より幅広いジャンルに対応できるでしょう。
演奏中にセレクターを一切操作しないギタリストもいますが、それってもったいないですよ!エレキギターってセレクター、ボリューム、トーンをコントロールするだけで、かなりの音色が出せる楽器ですよ!
ロータリースイッチ
5WAYや3WAYはギタリストにおなじみですが、ロータリースイッチは珍しいシステムでしょう。
最もボディエンド側に付けられたポットで、回転させるとカチッカチッと5段階に切り替わります。
これによってピックアップ構成が変化するシステム。10まで回した状態から、0まで戻した順番でご紹介します
- リアハムバッカー
- リアシングル+フロントシングル(外側コイル同士パラレル)
- リアシングル+フロントシングル(内側コイル同士シリーズ)
- リアシングル+フロントシングル(内側コイル同士パラレル)
- フロントハムバッカー
一見すると分かりにくい構成ですが、パラレルとはハーフトーン、シリーズとはハムサウンドと考えてください。これは実際に試奏することをおすすめします。
ロータリースイッチによる切り替えは難しいイメージがありますが、一般的なセレクターのように手がぶつかる心配がありません。一度慣れてしまえば便利なシステムです。
買取価格
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ポール・リード・スミスを愛用するギタリスト
ポール・リード・スミスは世界で大人気のエレキギターで、世界のトッププロも数多く使用しています。
ポール・リード・スミスからシグネイチャーモデルをリリースしているギタリストをご紹介しましょう。
カルロス・サンタナ
1947年にメキシコで誕生したカルロス・サンタナ。1962年にアメリカへ移住すると自身のバンドであるSANTANAを結成し、ラテン・ロック・サウンドで世界を魅了しました。
カルロス・サンタナはあの伝説のロックフェスティバル、ウッドストックにも出演。1987年にはグラミー賞を受賞し、世界中からリスペクトされるレジェンド・ギタリストのひとりです。
カルロス・サンタナは古くからポール・リード・スミスを愛用し、ラテンの血が奏でるセクシーかつ情熱的なトーンは誰も真似することができません。日本でヒットした『哀愁のヨーロッパ』は今でもさまざまな場面で流れており、誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。
そのほかに『Smooth』、『Blues for Salvador』など数多くの名曲があり、どれもギタリストであれば必聴です。
カルロス・サンタナの奏でるラテン系のメロディは演歌のフィーリングに近く、日本人の感性にマッチしていると思うんです。
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ニール・ショーン
カルロス・サンタナを紹介したら、ニール・ショーンも紹介しなければなりません。
1954年に生まれたニール・ショーンは、17歳という若さでSANTANAのバック・ギタリストに抜擢されました。若き天才ギタリストとして、またたく間に世界中から注目されることにました。 1975年にJOURNEYを結成し、ニール・ショーンは世界的な成功を収めます。ポール・リード・スミスからシグネイチャーモデルが販売されており、現在も第一線で活躍を続けるギタリストです。
JOURNEYの『Separate Ways』は、世界野球WBCのテーマ曲としておなじみですね!
極端な逆アングルのピッキングフォームで、粒立ちの良いサウンドが特徴。ソロ・アーティストとしても活動しており、ギター・インスト・アルバム『Voice』はグラミー賞にもノミネートされました。
アル・ディ・メオラ
ポール・リード・スミスを使用するのはロック・ギタリストだけではありません。
フュージョン・ギタリストからも愛されており、アル・ディ・メオラもポール・リード・スミスを愛用するひとりです。
1954年に生まれたアル・ディ・メオラは、1974年にフュージョン・バンドのReturn to Foreverに加入。解散後はソロ・アーティストとして活動し、中でもおすすめしたいのは1977年リリースの2ndアルバム『Elegant Gypsy』です。
アルバム『Elegant Gypsy』に収録されている『Race With Devil On Spanish Highway』は、ハードロックのようなドライブ感とスパニッシュなメロディ、そしてスリリングな速弾きを詰め込んだ名曲。80年代以降の速弾きギタリストに大きな影響を与えました。
さらに同アルバム収録の『Mediterranean Sundance』には、フラメンコ・ギター界のレジェンド、パコ・デ・ルシアが参加。これをきっかけにアル・ディ・メオラ、パコ・デ・ルシア、ジョン・マクラフリンの3人で、スーパー・ギター・トリオというプロジェクトをスタートさせました。
テクニカルなプレイが好きなら、スーパー・ギター・トリオが奏でる超絶技巧の数々は必聴!メタル系の速弾きに自信のあった僕ですが、これを聴いて“メタルの速弾きなんてママゴトだ…”とガッツリ凹んだことを覚えています。
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