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【相場・査定例】ZEMAITIS(ゼマイティス)のギターの買取価格!高額査定が期待できるゼマイティスのギターとは

繊細な彫金を施したボディ・トップ、妖艶に輝くパール・フロント、緻密なインレイなど、楽器作りを芸術の領域まで高め、「Art with Strings」と形容されるZEMAITIS(ゼマイティス)は、1955年にトニー・ゼマイティスによってロンドンで創業しました。

本格的なブランドのスタートは1965年、当時のラインナップの中心は意外なことにアコースティック・ギターでしたが、エリック・クラプトン、ジョージ・ハリスン、ドノヴァンなどが使用するなど、そのクオリティは当初からプロ・ミュージシャンの支持を得られていました。

 

その後エレクトリック・ギターの生産を始めます。ZEMAITIS(ゼマイティス)の最大の特徴ともいえる「メタル・フロント・ギター」は、実はハムノイズを減らすためのシールディングを研究する過程で生まれたものです。そこに「マスター・エングレイバー」と呼ばれる、友人の彫刻家でダニー・オブライエンの手による装飾を施し、現在のスタイルが確立されました。

その後「パール・フロント・ギター」、「ウッド・リーフ・カスタム」などのバリエーションを加えます。

 

トニー・ゼマイティスによる製作期のモデルの買取相場

一般に「ビンテージ・ギター」というと、エレクトリック・ギターの場合はブランドにもよりますが1960年〜1970年代前半辺りの生産時期のものを指すことが多いようです(アコースティック・ギターの場合はプリウォー・モデルなどありますが)。

ところが、ZEMAITIS(ゼマイティス)の場合は「マスター・ビルダー」であるトニー・ゼマイティスが他界してしまっていることから、ブランド最初期に製作されたのアコースティック・ギターはもちろん、1990年代に製作されたものまでがすでにビンテージ的価値があるものとして扱われています。

 

参考:ギターの買取価格の相場・査定表

 

意外にもその始まりはアコースティック・ギターでした

ブランド黎明期はアコースティック・ギターの製作が中心であったZEMAITIS(ゼマイティス)ですが、すでにトラスロッドカバーやヘッドの装飾に彫刻を施されたシルバーのパネルを使用したり、その後の発展を予感させる仕様になっています。

ボディやサウンド・ホールのデザインもヨーロッパの古楽器を思わせるものになっていて、とても印象的です。

 

1960年〜1970年代のZEMAITIS(ゼマイティス)のアコースティック・ギターの買取相場

どちらかといえば12弦が有名で、エリック・クラプトンが使用していた「Ivan The Terrible(イバン・ザ・テリブル)」は後のオークションで約3,000万円で落札され大きな話題になりました。

 

スタート当時のラインナップとしてはStandard、Superior、Customというシンプルなもので、1970年代になってCustom Deluxeが加わります。

どの年代、どのモデルもかなりの高額査定がされていますが、特にCustom、Custom Deluxeの各モデルは、ほとんどがオーダーによるワン・オフ・モデルであることから、相当高額な買取価格が期待できます。

 

ZEMAITIS(ゼマイティス)のエレクトリック・ギターの誕生

アコースティック・ギターが多くのアーティストから支持されたことを受け、トニー・ゼマイティスはエレクトリック・ギターの製作に乗り出します。

 

基本的なボディ・シェイプはレス・ポールに近いシングル・カッタウェイのものですが、GIBSON(ギブソン)のそれが時に「グラマラス」と形容されるのに対し、ウエスト部が細く引き締まった、やや薄めでシャープなシルエットは貴婦人が着用したコルセットとドレスを思わせる独特の高級感があり、アメリカン・ギターとは異なるセクシーさを醸し出しています。

 

メタル・フロント・ギターの買取相場

英国の国民的ハード・ブルーズ・バンド、グラウンドホッグズのリーダー、トニー・マクフィーのために製作された1本からスタートしたのが、今日に至ってもなおZEMAITIS(ゼマイティス)の代名詞となっている「メタル・フロント・ギター」です。

ノイズ対策のための仕様であったと言われることが多い、このアルミ・プレートによる装飾ですが、テレビにロック・バンドが登場する時代と重なったことから、ゴージャスなルックスがマーク・ボラン、デビッド・ボウイらの新世代のアーティストから熱狂的な支持をされます。

 

ラインナップはCustom、Custom Deluxeで構成され、いずれのモデルも高額で買取されています。中でも初期にごくわずかだけ製作された「シンクメタル」と呼ばれる、ボディ・トプにメタル・フロントが沈み込むように設計されたものは超高額になっています。

メタル・フロント・ギターのシェイプは前述のようシングル・カッタウェイのものが中心となっていますが、ボン・ジョヴィのリッチー・サンボラの使用によって有名になったダブル・カッタウェイのモデルが存在します。こちらも生産本数の少なさから高額査定の対象となっています。

 

メタル・フロント・ギターのもう一つの顔、ラウンド・ディスクの買取相場

もしかすると最もメディアでの露出が多いZEMAITIS(ゼマイティス)は、ザ・ローリング・ストーンズのギタリスト、ロン・ウッドが使用する、テレキャスター・シェイプに円形のプレートを配した、このラウンド・ディスクなのかもしれません。

ロックンロール・ギターの代名詞として人気のモデルですが、布袋寅泰の使用によっても日本では高い人気で、高額で買い取りがされています。

 

パール・フロント・ギターの買取相場

メタル・フロント・ギターの大成功により、世界的なブランドの一員となったZEMAITIS(ゼマイティス)が、より芸術の高みを目指して製作したのがパール・フロント・ギターです。幾何学的に埋め込まれたパールによって美しく輝くギターは、メタル・フロント・ギター同様、テレビ時代の新しいスターによって愛されます。

 

パール・フロント・ギターはZEMAITIS(ゼマイティス)のハイ・エンド・シリーズとして位置づけられています。

メタル・フロント・ギターよりも生産本数が少ないため、コレクターからの人気も高く、ZEMAITIS(ゼマイティス)の全ラインナップの中で最も高額の査定となっています。

 

そのほかのZEMAITIS(ゼマイティス)の買取相場

どうしても豪華な装飾ばかりが語られがちなZEMAITIS(ゼマイティス)ですが、SUPERIORなど比較的シンプルなルックスの仕様のギターもラインナップされていました。とはいえ、美しいフレイム・メイプルを使用したもの、ボディ・トップではなく、ボディ・バックをメタル・プレートで装飾したものなど、トニー・ゼマイティスの美学が貫かれていることには変わりがありません。

メタル・フロント・ギター、パール・フロント・ギターに比べ比較的抑えた金額となるとはいえ、いずれもトニー・ゼマイティスが直接オーダーを受け付け製作していた時期の貴重なコレクター・アイテムであるため、かなりの高額査定となります。

 

 

神田商会とコラボしたZEMAITIS(ゼマイティス)の買取相場

2002年、トニー・ゼマイティスは残念ながら他界します。当初はブランドの存続そのものが危ぶまれていましたが、2003年にZEMAITIS(ゼマイティス)の精巧なコピーを製作していたことでも知られる、GRECO(グレコ)などを手掛ける日本の神田商会にブランドが引き継がれることになりました。

トニー・ゼマイティスが遺したオリジナルの図面、設計に関する膨大なメモ、オーダー・リストなどが受け継がれ、ダニー・オブライエンらの協力のもと、日本国内の工場で製作または監修され、今日に至ります。

 

ラインナップはCUSTOM SHOP、ANTANUS、CASIMEREで構成されています。

また、トニー・ゼマイティスの製作過程を忠実に再現することに挑み、少量のみ製作されるTONY'S COLLECTIONもあります。

 

CUSTOM SHOPシリーズの買取相場

トニー・ゼマイティスの美学・製作技術を継承するために、日本国内に新設された工場で精鋭のクラフト・マンが製作に携わっているのがCUSTOM SHOPシリーズです。

品番がCS24MFから始まる、代表モデルであるメタル・フロント、CS24SUから始まるスーペリアはウッド・マテリアルの美しさを最大限に生かしたレーザー彫刻で仕上げられています。現在はこの2つがラインナップされています。

CUSTOM SHOPシリーズはオリジナルに遜色のないその仕上がりの美しさや、精密な組み立て技術によって、以前からビンテージのZEMAITIS(ゼマイティス)を使用していたアーティストからの評価も高く、海外市場でも高額で取り引きされています。

 

高額査定の対象となるのは、メタル・フロントのCS24MF、そして現在は製作されていない、パール・フロントのCS24PFとなります。

中でもブランド60周年を記念して1995年に限定製作されたCS24MF 60THは、高額で買い取られているモデルです。

そのほか、ブラック・フィニッシュにパール・インレイが施されたCS22SU PEARL DIAMOND、CS24SU PEARL DIAMONDは布袋寅泰が使用する通称「WILD」に似たルックスで人気です(彼の使用するギターはもちろんトニー・ゼマイティスが製作したものです)。さらにこの2モデルは現在は製作されていないため、査定価格が上昇しています。

 

ANTANUSシリーズの買取相場

トニー・ゼマイティスが培ってきたギターづくりの伝統にモダンなアイデアを盛り込んだのがANTANUSシリーズです。

メタル・フロントのA24MF、フラット・トップのA24SUが現在のラインナップです。CUSTOM SHOPシリーズに比べ、やや価格を抑えた設定になっているので、「使えるZEMAITIS(ゼマイティス)」として主にライブ・ミュージシャンからの人気が高いのがこのANTANUSシリーズです。

査定金額が高いのはメタル・フロントのA24MFの方ですが、現在ブラック・フィニッシュのSUPERIORモデルがCUSTOM SHOPシリーズに存在しないことから、A24SUの買取価格も上昇傾向があります。

 

CASIMEREシリーズの買取相場

伝統のZEMAITIS(ゼマイティス)のボディ・シェイプは生かしつつ、ウッド・マテリアルやハード・ウェア・パーツを見直したコスト・パフォーマンス・モデルがCASIMEREシリーズです。

ミドル・クラスのプレーヤーにも手が届くシリーズとしてメタル・フロントのC24MFがラインナップされています。

「最初のメタル・フロント」として安定した人気もあるので査定金額も大きく崩れることがないのがこのCASIMEREシリーズです。

 

Zシリーズの買取相場

インレイやメタルプレートなどの装飾を一切排した最もシンプルなZEMAITIS(ゼマイティス)がZシリーズです。軽量で取り回しやすい仕様になっていて、エントリー・クラスのギターとして、すこしマニアックなブランドを選びたいプレイヤーからの支持があります。

そもそもエントリー・モデルとして価格が抑えられているので、いわゆる高額査定が期待できるシリーズではありませんが、ゼブラ・ウッドやキルト・トップなどの現在では生産が終了しているモデルはZシリーズの中では比較的高めの査定となることがあります。

 

そのほかシリーズの買取相場

そのほかフライングVモデルのGZV、ホロウ・ボディ―のV22などがありましたが、いずれも短命に終わっています。これらは現在それほど高額の買取価格となるケースは少ないのですが、最近のジャパニーズ・ビンテージの人気などで今後、再評価の対象となることも考えられます。

 

TONY'S COLLECTIONシリーズの買取相場

厳選されたホンジュラス・マホガニーを使用したボディとネック、さらにオリジナルの金型から忠実に再現したブリッジを使用するなど、トニー・ゼマイティス製作期の工程を可能な限り再現し、年間製作すうが約20本といわれる完全限定で製作されるのがTONY'S COLLECTIONシリーズです。

現在製作されているのは、ザ・ローリング・ストーンズのロン・ウッドや布袋寅泰の使用モデルとしてあまりにも有名なディスク・フロントのS24DTのみですが、このほかにメタル・フロントのS22MT、パール・フロントのS22STが過去にはラインナップされていました。

 

いずれのモデルも人気で、ビンテージのZEMAITIS(ゼマイティス)を購入することがほとんど不可能なものと思われるくらい高騰している現状では、オリジナルの仕様に限りなく近く、なおかつ実際に手にすることができるZEMAITIS(ゼマイティス)として、日本はもちろん、海外のプレイヤー、コレクターからも注目されています。

中古市場においてもその人気を背景にどのモデルも高額査定されています。

 

ZEMAITIS(ゼマイティス)のギターを買取査定に出す際の注意点

 

トニー・ゼマイティス製作期のオリジナルZEMAITIS(ゼマイティス)をまさか自力で改造する勇気がある人はいないと思います。

ただし、トニー・ゼマイティスのもとでリフィニッシュされたり、ピックアップなどのパーツをアップ・グレードするケースはあるようです。その場合、正規なルートでリペア、あるいはリフィニッシュされた経緯を証明する書類(オーダー・シートや納品書など)があれば査定価格が上乗せされることがあります。

また、トニー・ゼマイティスはオーナーに対して納品の際に手紙を書くことでも知られています。そのような楽器の来歴やストーリーを知ることができる資料があれば、コレクション的価値が上がり、査定価格がさらに高額になることがあります。

 

2003年以降の神田商会時代のZEMAITIS(ゼマイティス)の場合、コレクションとしてだけではなく、実際にステージなどで使用するという需要もあるので楽器としてのコンディションが査定対象の比率が高くなります。このため、下位カテゴリのモデルであればピックアップの交換など電装系のアップグレードは査定の際に高評価となります。

 

ちなみにZEMAITIS(ゼマイティス)のメタル・プレートは意外と割れやすいことが知られています(このためトニー・ゼマイティスはアウトプット・ジャックをサイドにつけることにこだわっていたそうです)。メタル・プレートを締めているビスを締め直す際はご注意ください。査定のみならず怪我の原因にもなりますので(経験者です)。

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