ツーバスは両足を使って2つのバスドラムを操作することで、より迫力のある演奏を行うテクニックです。
特にメタルやハードロックのジャンルでは欠かせない奏法として知られており、例えばX JAPANの「紅」では冒頭の1分50秒ごろから、迫力あるツーバスフレーズを聴くことができます。
手と足を独立して動かす必要があるため、習得には時間と練習が必要ですが、基本から順を追って練習することで、確実に上達できます。
この記事では、ツーバスの基本的な仕組みから練習方法、上達のコツまでを詳しく解説します。
この記事のポイント
ツーバスとツインペダルの違い
ツーバスとツインペダルは、どちらもドラム演奏において両足でバスドラムを操作するためのテクニックです。
ツーバスは2つのバスドラムを使い、それぞれのペダルで音を出すのに対し、ツインペダルは1つのバスドラムに2つのペダルを取り付ける方法です。
音の響きや見た目に違いがありますが、どちらも高速で力強いリズムを演奏するために使われます。
この記事ではツインペダルも含めて両足のテクニックの総称としてツーバスのやり方を紹介します。
ツーバスの練習方法
ツーバスの練習は、両足を均等に使いこなすために継続的なトレーニングが重要です。ここでは、ツーバスの基本的な練習方法をいくつか紹介します。
1. 片足ずつの練習
まず、右足と左足を個別に練習します。片足ずつペダルを踏み、リズムに合わせて安定した動きができるようにします。テンポをゆっくり始め、足が疲れないようにフォームに注意しながら行います。
2. 両足の交互練習
次に、両足を交互に使って一定のリズムを刻む練習を行います。最初はスローなテンポで、徐々に速度を上げていきます。メトロノームを使い、正確なテンポを保ちながら、フォームと均等な音を意識しましょう。
- メトロノームの速度:BPM60から始め、慣れてきたら少しずつ速くします。
- パターン例:右足→左足→右足→左足の順に叩くシングルストローク
3. ダブルストロークの練習
両足を使って、ダブルストローク(RRLLなど)の練習をします。この練習では、1回のペダル操作で足が2回の動作を行うようにします。これにより、スピードが向上し、強弱をつけたリズムも表現できるようになります。
- パターン例:R R L L(右足2回、左足2回)
4. バスドラムとスネアの組み合わせ
バスドラム(足)とスネア(手)を組み合わせて、実践的なリズムを作ります。例えば、バスドラムで8分音符を刻みながら、スネアで2拍目と4拍目を入れるなど、ビートに合わせた練習を行います。
ツーバスを練習するコツ
ここではより効率的にツーバスを習得するためのポイントを解説します。
フォームと姿勢を正しく保つ
正しいフォームと姿勢は、ツーバスをスムーズに演奏するための必須です。椅子の高さを適切に調整し、背筋をしっかり伸ばして演奏します。
椅子が低すぎると足に過度の負担がかかり、逆に高すぎるとペダルの操作が不安定になります。
特に、足首や膝が適度な角度になるように意識することで、足の動きを効率的にすることができます。
また、リラックスした姿勢を保ちながら、余計な力を使わないようにすることも大切です。
ペダルの調整を見直す
ペダルのセッティングは、ツーバスの練習において非常に重要です。バネの張り具合やビーターの角度、フットボードの長さなど、自分の演奏スタイルや体格に合った設定に調整しましょう。
例えば、バネの張りが強すぎるとペダルの操作が重くなり、速い動きが難しくなる一方で、張りが弱すぎるとペダルが不安定で力強いサウンドが出しづらくなります。
自分に最適なセッティングを見つけるためには、いくつかの調整を試しながら練習を繰り返すことがポイントです。
スピードよりもコントロール優先で練習する
ツーバスのスピードは確かに重要ですが、それ以上に重要なのはコントロールです。
速く叩くことだけに集中してしまうと、リズムが崩れたり、音が均一でなくなったりすることがあります。
そのため、最初はスピードを抑えて、足の動きをしっかりとコントロールできるように練習しましょう。
音の強弱やタイミングを意識し、ペダルを踏む際の足の感触を確認しながら演奏することで、より正確なリズムを刻めるようになります。
徐々に長時間の練習を取り入れる
ツーバスの速さだけでなく、長時間にわたる持続的な演奏にも対応できるよう、持久力を鍛える練習を行いましょう。
まずは短時間から始め、徐々に演奏時間を延ばしていくことで、足の持久力を向上させます。
特に、ツーバスを使った8分音符や16分音符の連打を一定時間続ける練習を行い、疲れにくい足の動きを身につけることが目標です。
また、休憩を適切に取りながら練習することで、無理なく持久力を高めることができます。
持久力がついてくると、長時間の演奏でも安定したリズムを刻むことができるようになります。
リラックスすることを忘れない
ツーバスを速く演奏しようとすると、無意識に足や全身に力が入りやすくなるものです。しかし、力みすぎると疲労が早く蓄積し、リズムが不安定になる原因になります。
演奏中はできるだけリラックスし、足や膝、足首の動きがスムーズになるよう意識しましょう。
リラックスしている状態では、足の筋肉が無駄に緊張することがなく、より速く、長時間の演奏にも耐えられるようになります。
疲れを感じたら無理をせず、一度演奏を中断してストレッチなどで体をほぐすことも大切です。
まとめ
ツーバスは、ドラム演奏に重厚感とスピード感を加える重要なテクニックです。
基本的な練習として、片足ずつの練習から始め、両足の交互練習、ダブルストローク、そしてスネアとの組み合わせへと段階的に進めていくことが大切です。
練習の際は、正しいフォームと姿勢を意識し、ペダルの調整を適切に行うことで、より効率的な上達が望めます。
スピードを追求する前に、まずはコントロールを重視し、徐々に長時間の練習も取り入れることで、安定した演奏技術を身につけることができます。
リラックスした状態を保つことを意識し、無理のない練習を継続することで、よりダイナミックなツーバスの演奏が習得できるでしょう。