空ピッキングは、オルタネイトピッキングやコードストロークで弾く際に、ピックを弦に当てず素通りさせる奏法です。
空ピッキングを習得することで、休符の部分でもリズムを保ちやすくなり、一定のテンポをキープしながらリズミカルな演奏が可能になります。これにより、演奏全体の安定感と表現力が大きく向上します。
しかし、同じテンポを維持しながら同一の動きを続ける必要があるため、マスターするにはある程度の慣れと練習が必要です。オルタネイトピッキングやコードストロークのどちらにも活用できる汎用性の高いテクニックなので、それぞれの奏法に取り入れられるように練習しましょう。
この記事では、空ピッキングの基本的な練習方法と、上達のためのコツについて詳しく解説します。
この記事のポイント
空ピッキングの練習方法
空ピッキングは、単音演奏とコードストロークの両方で活用できるテクニックです。それぞれの奏法で効果的に空ピッキングを取り入れるための練習方法を紹介します。基本的な動きは同じですが、弾く弦の数や押さえ方が異なるため、それぞれの特性を理解しながら練習しましょう。
空ピッキングの練習方法|単音編
上の楽譜は空ピッキングの基本的なフレーズです。( )の部分は弾かずに「空ピッキング」を入れる箇所です。ここでは弦をピックに当てず、前の音も伸ばした状態のままにしておきます。
右手の動きは8分音符で弾き続けるので、一定のリズムになるように練習しましょう。この練習を通じて、空ピッキングを自然に取り入れながら、リズムを維持する感覚を身につけることができます。
オルタネイトピッキングのコツは以下の記事でも紹介しているので、併せて参考にしてください。
オルタネイトピッキングとはどんな意味?練習方法や上達のコツを解説
空ピッキングの練習方法|コードストローク編
コード弾きの場合でも基本的なリズムの取り方は同じです。( )の部分は弾かずに「空ピッキング」を入れます。ただし、コード弾きになると押さえる弦の数が増えるので、空ピッキングの際はすべての弦を通り越すことがポイントです。
右手の動きは引き続き8分音符をキープしていく形になるので、空ピッキングが入ってもリズムが崩れないように意識しながら練習しましょう。複数の弦を同時に扱うため、単音演奏よりも難易度が上がりますが、練習を重ねることで自然な動きを身につけることができます。
ギターのストロークの練習方法については下記の記事でも紹介しているため、こちらも参考にしてみてください。
ギターのストロークとは?基本的なコードの弾き方や練習のコツを初心者向けに解説
空ピッキングを練習するコツ
空ピッキングの技術を効果的に向上させるためには、いくつかのコツがあります。これらのポイントを意識しながら練習することで、より短期間で上達することができます。ここでは、空ピッキングの練習に役立つ5つのコツを紹介します。
メトロノームを使って練習する
空ピッキングは一定のテンポを保つために用いられるテクニックなので、メトロノームを使った練習が非常に重要です。最初は遅めのテンポで始め、少しずつテンポを上げていくことで、無理なくリズム感が向上します。
また、異なるテンポに対応できるようになることで、実際の楽曲演奏時にテンポの変化に柔軟に対応できるようになります。メトロノームを使用することで、自分のリズム感を客観的に把握し、改善点を見つけやすくなります。
ピッキングの軌道を意識する
ピックを持つ手の動きがスムーズで、一定の軌道を描いているかを常に意識することが大切です。空ピッキングの箇所は実際に弦を弾かないため、弦に当たる心配はありませんが、実際の演奏時にどのようにピッキングを行うかをイメージし、正確な軌道を体に覚え込ませることがポイントです。
これにより、ピッキングの際のムダな動きを省き、効率的な演奏が可能になります。正確な軌道を維持することで、空ピッキングと実際のピッキングの切り替えがスムーズになり、より安定した演奏につながります。
手首だけでなく腕全体を活用する
ピッキングを行う際には、手首だけでなく、肘や肩を含めた腕全体を使って動作を行うことがポイントです。手首のみでピッキングを行うと、小さな動きに制限され、長時間の演奏で疲れる原因になります。
腕全体を使うことで、より大きな動きが可能になり、力強く安定したピッキングが弾きやすくなります。
余計な力を抜いてリラックスした状態で練習する
力を入れすぎた状態でピッキングを行うと、動きが硬くなるだけでなく、疲労が蓄積しやすくなります。一方、リラックスした状態でピックを持ち、余計な力を抜いてピッキングを行うことで、自然な動作につながります。
空ピッキングの練習では、無理なく弾き続けられるように力加減を意識しながら練習しましょう。リラックスした状態で練習することで、より長時間の練習が可能になり、効率的なテクニックの習得につながります。
鏡を使用して自分のピッキングフォームを確認する
自分のピッキングフォームを確認するためには、鏡の前で練習するのが効果的です。鏡を使うことで、自分の手の動きや体の姿勢をリアルタイムで観察でき、フォームが崩れていないか、ムダな動きがないかを確認することができます。効果的に技術を習得するためにも正しい姿勢で練習を続けましょう。
空ピッキングのよくある質問
空ピッキングに関するよくある質問の一つに、ベースの空ピッキングのコツややり方に関する内容があります。ベースでも基本的な空ピッキングのやり方はギターと同じです。
一方、ベースは基本的に単音弾きが主体となるため、単音の空ピッキングの練習方法を参考にチャレンジしてみましょう。ベースの太い弦に対応するため、より強めのピッキングが必要になる場合がありますが、基本的なやり方は同じです。
まとめ
空ピッキングは、ギター演奏のリズム感と流暢さを向上させる重要なテクニックです。単音演奏とコードストロークの両方で活用でき、一定のテンポを維持しながらリズミカルな演奏ができるようになります。
空ピッキングを習得するためには、メトロノームを使った練習や正確なピッキングの軌道の意識、腕全体を使った動きが大切です。
マスターするにはある程度の練習が必要ですが、空ピッキングを習得することで安定した演奏ができるようになります。ステップアップのためにもぜひチャレンジしてみてください。