パラディドルとは、マーチングにも使用されるドラムのルーディメンツパターンです。
その名の通り、パラ(RL,LR)とディドル(RR,LL)に分けられます
パラディドルを通じて左右の手を効果的に使い分けることで、リズムに豊かな表現力を与えることができます。
プロのドラマーたちもパラディドルを基礎としたフレーズを多用しており、例えばASIAN KUNG-FU GENERATIONの「ブルートレイン」では、印象的なパラディドルフレーズを聴くことができます。
初心者にとっては少し難しく感じるかもしれませんが、基本から順を追って練習することで、必ず身につけることができる技術です。
この記事では、パラディドルの基本的な種類から練習方法、上達のコツまでを解説します。
この記事のポイント
パラディドルの種類
パラディドルには主に4つの種類があります。ここではそれぞれのパターンを紹介します。
シングル・パラディドル
パターン: R L R R L R L L
シングル・パラディドルは、「R L R R L R L L」というパターンで構成されます。右手と左手を交互に使いながら、同じ手で2回連続して打つ部分が特徴です。
手のバランスを整えるためにも役立ち、フィルインやアクセントの変化を用いたリズムのバリエーションにも応用できます。
ダブル・パラディドル
パターン: R L R L R R L R L R L L
ダブル・パラディドルは、シングル・パラディドルを拡張したパターンで、「R L R L R R L R L R L L」という構成です。
右手と左手を交互に使い、6回の交互ストロークの後に同じ手を2回連続して打つ部分が特徴です。
シングルよりも長いパターンで、リズムにさらなる複雑さを加えます。リズムのバリエーションを増やし、フィルインやグルーブに応用できるテクニックです。
トリプル・パラディドル
パターン: R L R L R L R R L R L R L L
トリプル・パラディドルは、シングルやダブルをさらに発展させたパターンで、「R L R L R L R R L R L R L L」と構成されています。
左右の手を交互に4回叩いた後に、同じ手で2回連続して叩くことが特徴です。
パラディドルディドル
パターン: R L R L R R L R L R L L
パラディドルディドルは、パラディドルにディドル(同じ手を2回打つ動作)を加えたパターンです。
通常のパラディドルよりも滑らかな手の動きを要求され、高速なフィルインやビートに使われることが多いです。
このパターンは、手の連動を強化し、複雑なリズムや高速フレーズでのスムーズな演奏に役立ちます。演奏にダイナミクスを加え、リズムの表現力を広げるのにも役立ちます。
パラディドルの練習方法
パラディドルを習得するためには、シングル・パラディドルからの練習がおすすめです。
基本的なパターンを習得することで、スピードとコントロールを向上できます。
最初は80程度のゆっくりしたテンポで正確に叩くことから始め、徐々にテンポを上げていくとコツをつかみやすいでしょう。慣れてきたら上で紹介したほかのパターンも挑戦してみてください。
パラディドルを練習するコツ
ここではパラディドルを上達するための具体的なコツを紹介します。
メトロノームを使う
パラディドルを安定して演奏するには、テンポキープが欠かせません。まずはメトロノームを60〜80 BPMに設定し、ゆっくりとしたテンポで練習します。
最初は速度よりもリズムの正確さを重視し、全ての打撃が均等に聞こえるように注意します。
ゆっくりしたテンポで正確に演奏できることが、後々のスピードアップにもつながります。
慣れてきたら5〜10 BPMずつ上げていくと、正確さを保ちながら速く叩けるように練習できます。
左右のストロークが均等になるように意識する
右手と左手の音量や力加減が均等になるように意識して叩きます。
どちらかの手が強くならないように、両手が同じように動くことを意識し、力の入れ方や動きがバランスよくなるようにしましょう。
アクセントをつけてみる
パラディドルの中で、特定のストロークにアクセントをつけることで、リズムに変化やダイナミクスを加える練習をします。
例えば、1拍目(最初の「R」や「L」)にアクセントを加えることで、リズムにメリハリが生まれます。
また、2~4拍目にアクセントをずらすと、拍の取り方の練習にもなります。
こうした練習は、曲中での表現力を高めるのに役立ちます。
異なるパッドやドラムで練習する
慣れてきたらパラディドルをスネアドラムだけでなく、タムやハイハット、バスドラムなどさまざまな場所を叩いてみてください。
手足の連携が鍛えられ、より複雑なリズムやフィルインが可能になります。
1つのパッドで練習しているなら、右手はリムの部分、左手は打面といったように左右でポジションを変えると、より実践的な練習になります。
長時間繰り返す
パラディドルは、毎日少しずつ練習を繰り返すとにスムーズに演奏できるようになります。
また、基本的な動きは共通しているため、一つのパターンを練習すれば、応用する形でほかのパターンの練習にもつながります。
ただし指や腕が痛くなるまで練習を続けるのは避けましょう。
まとめ
パラディドルは、ドラム演奏の表現力を高める重要なテクニックです。シングル、ダブル、トリプル、パラディドルディドルと、段階的に練習を重ねることで、確実にスキルアップを図ることができます。
練習の際は、メトロノームを活用し、左右のバランスを意識しながら、ゆっくりと正確に叩くことを心がけましょう。
アクセントをつけたり、異なるパッドで練習したりすることで、より実践的な技術を身につけることができます。
継続的な練習を通じて、パラディドルを自在に操れるようになれば、よりダイナミックで表現力豊かな演奏ができるでしょう。