ヘッド落ちとは、ギターを構えて両手を離した際に、ギターのヘッド側が下向きに傾く状態を指します。
この現象はギターの重要バランスによるもので、ボディが軽量なギターほど影響を受けやすいことが特徴です。
ギターのヘッド落ちを解消したいのであれば、ストラップの交換や重りを追加するといった対策を行い、ギターのバランスを改善しましょう。
この記事では、ヘッド落ちの原因や対策方法を具体的に紹介していきます。
この記事のポイント
ギターがヘッド落ちする原因
ギターがヘッド落ちする原因は、主にボディとギターのバランスがあげられます。
ボディが軽く、重心がヘッド側に寄っているギターは、演奏者がストラップを使用するとヘッド落ちが生じることがあります。
また、同じ形状のギターでも、ストラップの取り付け位置によって支点が変わりヘッド落ちがしやすくなるでしょう。
また、ストラップがボディ側によって取り付けられていると、支点もボディ側に寄り、ヘッド落ちが発生しやすくなります。
ギターがヘッド落ちする時の対策方法
ギター落ちの仕組みが分かったところで、どのようにヘッド落ちを対策するのかを見ていきましょう。
滑りにくいギターストラップに交換する
演奏中におけるヘッド落ちを防ぐ方法として、滑りにくい素材のギターストラップに交換することが有効です。
この対策により、ヘッド落ちしやすいギターでもストラップの位置がずれにくくなり、安定感も増します。
ヘッド落ち対策を重視する場合は、ストラップの裏側の素材がスエードの革製ストラップがおすすめです。スエードは滑り止め効果があり、ギターが安定して体に密着します。
ほかにも太めのストラップを選ぶことも方法です。
太いストラップは体に接する面積が増え、その結果、ギターが滑りにくくなります。演奏中の安定感を向上させるために、滑りにくい素材や太めのストラップの採用を検討しましょう。
一方、ストラップの裏側が滑りやすい素材(例: ナイロンやポリエステル)の場合は、ヘッド落ちがしやすくなりますので注意してください。
重りでギターの重量バランスを調整する
ヘッド落ちの対策として、ギターのボディに重りを取り付ける方法が有効です。これにより、ヘッド側とのバランスを調整し、演奏中の安定感を向上できます。
具体的な方法としては、ピックアップを納めるキャビティに重りを追加するか、ボディ側のストラップに取り付ける方法があります。
重りは板状の金属やウェイトトレーニングなどで使用されるものでも問題ありません。
ただし、重りを追加しすぎるとギター自体の重量が増加するため、演奏のしやすさも考えるのであれば、適度な重さの調整が求められます。
ストラップピンの位置を変更する
ヘッド落ちの防止策として、ストラップピンの位置を変更することが考えられます。
この方法は支点のバランスを変えるため、ギターの重量を変えずにヘッド落ちを防ぐことが可能です。
ただし、新しいピンを取り付ける場合は穴を新たに開ける必要があるため、失敗時のリスクも考慮しましょう。
ほかにも、ストラップピンの位置は変えず、ピンの長さを長いタイプに変更してバランスをとる方法もあります。
軽量なペグに交換する
ヘッド落ちの対策として、軽量なペグに交換することが考えられます。サードパーティー製の軽量なペグを導入することで、ヘッド側の重量を軽減し、ヘッド落ちを防ぐことができます。
一部のペグはアルミやジュラルミンなど軽めの素材で製造されており、これによりギターの全体的なバランスが向上します。
ただし、ペグの種類によっては取り付けに加工が必要な場合があり、機種によってはロック機構が無くなるため注意しましょう。
ギターのヘッド落ちに関するよくある質問
最後にギターのヘッド落ちに関するよくある質問とその回答を紹介します。
ヘッド落ちしやすいギターの種類は?
たとえば、ギブソンのSGは、軽めで薄いボディですが、それに対してネックが長く重たいため、ネック落ちがしやすいモデルと言われています。
同様に、変形ギターやボディが空洞のセミアコギター(例: ファイヤーバードやモッキンバード)も重量バランスがヘッド側に寄るため、ほかのギターと比べるとヘッド落ちしやすいでしょう。
一方、テレキャスターは一般的にヘッド落ちがしにくいモデルですが、ボディが軽いモデルも存在するため、場合によってはヘッド落ちが発生することがあります。
ヘッド落ち対策に鉛は使える?
密度が高く重量のある鉛は、ヘッド落ち対策の重りとして効果的です。
たとえば鉛テープは、その柔軟性からギターに直接貼り付けられ、ギターの内部やストラップのパッドに容易に取り付けられます。
またテープであれば重りのつけ外しがしやすく、調整も簡単なので手軽に対策がしやすいでしょう。
ベースがヘッド落ちした時の対策方法は?
ジャズベースやプレシジョンベースなどボディが大きいベースは、重量がボディ側に寄るため、ヘッド落ちがしにくい特性があります。
一方、SGベースやサンダーバードなど一部のベースは、重量バランスがヘッド側に寄っているため、ギターと同様にヘッド落ちが起こることがあります。
この問題に対処するためには、ストラップの交換やストラップピンの位置変更、重りの追加など、ギターと同じ対策が有効です。
まとめ
ギターの種類によってはヘッド落ちをしてしまいますが、ストラップの交換や重りの追加などによって簡単に改善することが可能です。
また、ストラップピンの位置変更やペグの交換によって改善する場合もありますが、場合によってはギター本体に加工が必要となるため、自信が無い人は専門店への相談がおすすめです。
ヘッド落ちに悩んでいる方はぜひ今回の内容を参考にしてみてください。