ブラッシングは、ミュートした状態で弦をストロークして演奏するギターのテクニックです。「ツクツク」といった歯切れの良い音を出すことができ、ギターの演奏にメリハリを与えられます。
たとえばRed Hot Chili Peppersの「By The Way」では、33秒からの間奏でブラッシングを用いた効果的な演奏を聴くことができます。
この記事では、ブラッシングを弾いてみたいギター初心者に向けて、弾き方と練習のコツを紹介します。
この記事のポイント
ギターのブラッシングのやり方
ブラッシングを練習する際は、まず発音の切り替えから練習しましょう。上の譜面は、弦をミュートしたり押さえたりする基本的な練習フレーズです。楽譜の「×」の記号はミュートをしてブラッシングを演奏する箇所を表しています。
ミュート中は複数の指で弦に軽く触れて音を消した状態にします。フレットを移動するときは、前の音が途切れないようになるべく伸ばすことがポイントです。難しいと感じるなら、一度テンポを落として確実に弾ける速さから練習しましょう。
ギターのブラッシングを練習するコツ
ブラッシングを上達させるためにはいくつかのコツを押さえておく必要があります。
ここからは、ブラッシングを練習する際のポイントを詳しく解説していきます。
必ずメトロノームを使う
歯切れがよくパーカッシブな音が特徴のブラッシングは、上手に演奏するために正確なリズムキープが求められます。リズムキープの練習にはメトロノームを使うと確実です。
最初は無理せず弾けるようにテンポを落としてから練習すると、挫折しにくく手の動きがなじんできてコツがつかめるようになります。
慣れてきたら徐々にテンポを上げることで、スピードを上げても丁寧に弾けるようになります。ブラッシングを練習する時はメトロノームを使うようにしましょう。
ハーモニクスが鳴る時は複数の指でミュートする
ブラッシングをする際にハーモニクスが鳴るフレットを押さえてしまっていると、ブラッシングの音ではなくハーモニクスの音が鳴ってしまいます。
ハーモニクスはフレットの特定の位置で鳴るように決まっており、特に5,7,12フレットはハーモニクスが鳴りやすいポジションです。
ハーモニクスが出るフレットを押さえる際は、余っている指を使ってミュートするとハーモニクスが鳴りにくくなります。ハーモニクスが鳴りやすいフレットは複数の指を使ってミュートするように意識しましょう。
弦を押さえる指は力を入れすぎない
ミュートしているもののフレットの音が鳴っている場合は、力が入りすぎて弦を押さえている可能性が考えられます。
その場合は弦に指を乗せるようにして力を抜くと、ミュートをしやすく音が鳴らなくなります。ブラッシングをするときは弦を押さえる力加減に注意しましょう。力を入れすぎないように意識することで、きれいにミュートすることができます。
指を弦から離さない
力を入れすぎるのとは反対に力を抜きすぎてしまうと指が弦から離れる原因となり、上手にブラッシングを演奏できなくなります。ブラッシングをするときは、指で弦に触れているか感触を確かめながら練習しましょう。
ギターのブラッシングに関するよくある質問
ここからは、ギターのブラッシングに関してよくある質問とその回答を解説します。
ブラッシングとカッティングの違いは?
ブラッシングとカッティングは、譜面の表記をはじめ一見似ているかもしれませんが、サウンドに違いがあります。ブラッシングは弦をミュートした状態でストロークをして歯切れの良い音を出す奏法です。
一方、カッティングはコード弾きや単音弾きにブラッシングや休符を組み合わせることで、より複雑なリズムで演奏するテクニックとなります。
また、ブラッシングは左手だけでミュートするのに対し、カッティングは右手も使ってミュートを行うことも特徴です。
アコギでブラッシングを弾く方法は?
ブラッシングの弾き方はアコースティックギターとエレキギターで共通しています。基本的には左手で弦に触れてミュートをし、右手でストロークをして演奏します。ただし、アコギとエレキでは性質が異なります。
たとえば、アコギはエレキよりも弦を軽く触れるだけでミュートできます。一方、エレキよりもしっかり弦を押さえないと音が鳴らないので、きれいに鳴らすためにはある程度の力が必要です。
それぞれの違いを理解したうえで練習をして、ブラッシングのコツをつかみましょう。
ブラッシングで音作りをするコツは?
ブラッシングの音を「ジャキジャキ」させたいのであれば、オーバードライブなどのエフェクターで歪ませると近づけることができます。また、低音弦ではなく、高音弦のほうがジャキジャキとした音が出やすいです。
ただし、ブラッシングの音はエフェクターだけでなく、ストロークのスピードや力加減など演奏の仕方も重要です。
理想のブラッシングの音に近づけたいのであれば、エフェクターの設定や演奏方法を調整しながら練習してみましょう。
まとめ
ブラッシングを練習する際は、メトロノームを使いながらリズムを意識して行いましょう。また、音を出す際は前の音が途切れないようになるべく伸ばすことがポイントです。難しい場合は一度テンポをゆっくりにしてから確実に弾けるように練習しましょう。
ブラッシングをマスターしたい人は、ぜひ今回紹介した内容を参考にチャレンジしてみてください。