指弾きは、その名のとおり指でギターを弾く演奏方法です。ピック弾きとは違い、やわらかなアタック感や中低音豊かな音色が特徴で、アコースティックギター、エレキギター問わず幅広いジャンルで用いられています。
アルペジオを弾く時にも用いられ、弾き語りには欠かせないテクニックです。たとえば、山崎まさよしの名曲「One more time, One more chance」では冒頭16秒のイントロから指弾きによる繊細な演奏を聴くことができます。
指弾きを習得することでタッチに繊細な強弱がつけられるようになり、ギターの表現の幅が格段に広がります。指弾きを練習する際は、それぞれの指がどこの弦を弾くのか確認したうえで挑戦しましょう。この記事では指弾きの練習方法と練習のコツを解説します。
この記事のポイント
ギターの指弾きの練習方法
指弾きを習得するには、基本的な動きから始めて徐々に難易度を上げていくことが大切です。ここでは、初心者向けの基本編と、上達を目指す人のための応用編に分けて練習方法を紹介します。
指の種類 |
担当する弦 |
親指 |
4~6弦 |
人差し指 |
3弦 |
中指 |
2弦 |
薬指 |
1弦 |
指弾きにはフォーフィンガーとスリーフィンガー2種類の弾き方が主に用いられますが、始めて指弾きに挑戦するなら4フィンガーだと弾く順番が覚えやすくておすすめです。
4フィンガーでは指ごとに担当する弦が決まっており、上記の表のとおりとなります。
上の楽譜はCコードとGコードを駆使した指弾きの基本的なフレーズです。
それぞれ親指⇒人差し指⇒中指⇒薬指の順に弾いていきます。それぞれの指の動きを覚えるように練習を続けることがコツです。
親指で弾く弦はCコードだと5弦ですが、Gコードだと6弦に変わるので、注意しながら練習しましょう。基本的な動きを理解することで、より複雑なフレーズにも対応できるようになります。
ギターの指弾きを練習するコツ
指弾きを上達させるには、正しい指の使い方や弾き方を意識することが重要です。
ここでは、指弾きを練習する上で押さえておきたいコツをいくつか紹介します。
指ごとにピッキングの種類を使い分ける
指弾きのピッキングは大きく分けて親指とそれ以外の指で異なります。親指は上から下に振り下ろすダウンピッキングが基本です。
一方、人差し指~薬指はアップピッキングで弾きます。安定して弾くには根元の関節や第二関節でピッキングすることがポイントです。
各指の役割を理解し、適切なピッキング方法を身につけることで、より安定した指弾きができるようになります。
指の先端で弾くように心がける
指弾きをするときはなるべく指を立てて指の先端で弾くように心がけると、ほかの弦に接触しにくく、狙った音だけ弾きやすくなります。一方、親指は指を立て過ぎず側面で弾くイメージだと安定性が高まり音量も出やすくなります。
各指の当たる位置を意識すると、音量やアタックがそろったきれいな演奏につながります。
指弾きを練習する際は指の角度や当たる位置を意識しながら演奏しましょう。
爪の長さを整える
指弾きは爪で弾くのか指先のやわらかい部分で弾くのかによってサウンドが異なります。
爪で弾いた場合は、ピックで弾いたときのように硬質でアタック感のある音が出せます。
一方、指先のやわらかい部分で弾くと、やわらかなアタック感と豊かな中音域が得られます。そのため、指ごとに爪の長さが違うと、サウンドもバラバラになりやすいです。
適切な爪の長さはサウンドの好みにもよりますが、どちらも長さがそろうように心がけましょう。爪の管理も指弾きの重要なポイントの一つです。
ギターの指弾きに関するよくある質問
ここではギターの指弾きに関するよくある質問とその回答を紹介します。コードの弾き方やアコースティックギターの弾き方など、初心者が気になりやすい悩みをまとめました。
指弾きでコードを弾く方法は?
指弾きでコードを弾く際は爪を使うことがポイントです。さらにダウンストロークとアップストロークで指の使い方が異なります。
ダウンストロークを弾く場合は、弦と爪が平行になるように構えて、親指以外の3本指を使って演奏しましょう。一方、アップストロークは、親指の爪を使って振り上げるように演奏することがコツです。
アコースティックギターは指弾きとピック弾きどっちが良い?
指弾きとピック弾きは、曲の雰囲気やジャンルによってどちらの方が最適なのかが異なります。たとえば指弾きのほうがピック弾きよりもやわらかく繊細な音が出せるため、テンポの落ち着いたバラードに適しています。
一方、ピック弾きは硬質な音が特徴で勢いのある演奏がしやすいことから、アップテンポでノリのある曲と相性が良いです。どちらもサウンドや指の動かし方が異なるため、それぞれ違いを理解したうえで使い分けられるように練習しましょう。
まとめ
指弾きは、やわらかなアタック感や中低音豊かな音色が特徴で、ギターの表現力を豊かにする重要なテクニックです。
基本的な練習方法としては、4フィンガーの技法から始め、徐々に複雑なフレーズに挑戦していくことが効果的です。
また、指ごとのピッキングの使い分け、指の先端での弾き方、適切な爪の長さなど、細かなコツを意識しながら練習を重ねることが上達の鍵となります。
指弾きの習得には時間と練習が必要ですが、演奏の幅を広げ、より表現豊かな音楽を生み出すことにつながります。ぜひ、この記事で紹介した方法を参考に、指弾きの練習に取り組んでみてください。