速弾きはその名のとおり、ギターを高速で弾くテクニックのことです。一見シンプルな技術に見えますが、高速で弾きこなすには高度なスキルが求められます。
特に70~80年代のロックでは速弾きがギターの花形のテクニックとして扱われることが多く、ギターソロを中心に用いられてきました。
たとえば、X JAPANのHIDEやPATA、B'zの松本孝弘のギターソロにも速弾きが使われています。現在は速弾きの重要性は下がってきたといわれていますが、速弾きをマスターすることでギターのレベルが上がり、演奏の幅も広げられます。
速弾きはいきなり身に付くわけではないため、まずはゆっくりしたテンポで確実に弾けるところから練習しましょう。この記事では速弾きの練習方法や練習のコツについて紹介します。
この記事のポイント
ギターの速弾きの練習方法
ここではギターの速弾きの練習方法を紹介します。基礎練習と応用練習に分けて解説していますので、それぞれの練習方法について詳しく見ていきましょう。
ギターの速弾きの練習方法|基礎練習編
ギターの速弾きの基礎練習として、16分音符を駆使した基本的なフレーズを練習してみましょう。
ここではピッキングの強さやリズムが一定になるように練習するのがポイントです。
特にこのフレーズでは1拍ずつ音程が変わるので、切り替わりのタイミングで音が途切れないよう注意しましょう。
最初は60~80ぐらいのゆっくりめのテンポで始めて確実に弾けるようになったら徐々にスピードを上げていくやり方がおすすめです。
ギターの速弾きの練習方法|応用練習編
基礎練習である程度弾けるようになったら、応用練習として一音ずつ音階が変わるフレーズに挑戦してみましょう。
一音ずつ音階が変わるため、音の強さやスピードだけでなく、各音の長さも一定になるように意識することがポイントです。
また、弦を押さえる手の細かな動きが要求されるため、こちらも60~80ぐらいのゆっくりめのテンポから始めて徐々にスピードを上げて練習しましょう。
ギターの速弾きを練習するコツ
速弾きを習得するには、コツを押さえて練習することも大切です。ここではギターの速弾きを練習する上で重要なコツを5つ紹介します。
最小限の動きを意識する
ピックの振り幅が大きいとその分ピッキングに時間がかかってしまい、スピードアップの妨げになることがあります。
特にオルタネイトピッキングを繰り返す際は、なるべく振り幅を小さくするように心がけると、最小限の動きで弾きやすくなります。
また、弦を押さえる指も音を切り替える際に離しすぎるとスピードを上げた際に運指が間に合わなくなる可能性があります。速弾きをチャレンジするなら、左右どちらの手も最小限の動きになるように意識しましょう。
両手のスピードを合わせる
速くピッキングできても弦を押さえる指が追い付かなければ、タイミングがずれてしまい音もきれいに鳴りません。
速弾きをマスターしたいならピッキングする手だけでなく、弦を押さえる指のスピードアップも重要です。
それぞれ同じタイミングで動かすためには、どちらかの手に合わせるのではなく、メトロノームを基準のリズムにして合わせましょう。
正確なリズムで弾けるように遅いテンポから練習する
どれだけ早くギターが弾けてもリズムが崩れていると良い演奏とはいえません。速いスピードでも難なく弾けるようになるためには、リズムを意識した練習が不可欠です。
正確なリズムを意識した練習ができれば、演奏にも余裕が生まれ、速いスピードでもコントロールできるようになります。練習するときはリズムが崩れないように気を付けながらプレイしましょう。
力まない
力んだ状態でピッキングをすると動きが硬くなってしまい、速弾きしにくくなってしまいます。最初は慣れないかもしれませんが、腕や肩の力を抜いてなるべくリラックスした状態で弾けるようになるとスピードアップにつながります。
まずはピックを強く持ちすぎていないか?必要以上に強く弾いていないのか?を意識しながら練習してみましょう。
練習を繰り返す
速弾きはいきなり弾けるようにはならないため、日頃の練習が欠かせません。上達には何度も練習を繰り返して効率的な手や指の動かし方を身に着けることが大切です。
最初はゆっくりしたスピードから練習を始め、慣れてきたらスピードアップを繰り返すことで、速いスピードでも思い通りに弾けるようになります。
もし行き詰ってしまったら、一度テンポを落として、動かしにくい部分など原因を考えながら練習しましょう。
どうすればうまく弾けるのかを考えながら練習することで、上達のスピードもアップします。
ギターの速弾きに関するよくある質問
ここではギターの速弾きに関するよくある質問とその回答を解説します。
速弾きするときのピックの持ち方は?
速弾きをするならなるべくピックの先端近くを持つとコントロールがしやすいです。その際はなるべく浅くピッキングするように心がけると音のばらつきを減らせ、音の粒もそろいやすくなります。
さらにピッキング時の抵抗が減ってスピード向上にもつながるため、速弾きする際は浅めにピックを持って挑戦しましょう。
速弾きにおすすめのギターは?
ネックが薄く指板が平らなギターは左手が動かしやすく、速弾きに向いたギターといえます。ただし、練習すればどんなギターを使っていても速弾きはできます。
実際にネックが太いギターでも難なく速弾きをするプレイヤーは珍しくありません。速弾きの習得に大切なのはどのギターを使うのかではなく、練習を繰り返して速弾きに慣れることです。
既にギターを持っているなら、まずはそのギターで速弾きに挑戦してみましょう。