ギターの演奏におけるフルピッキングとは、ピックを使って弦を1本ずつ、順番に弾いていく演奏のことを指します。通常はすべての弦をピッキングして音を鳴らしますが、特に速いテンポで行う場合は「オルタネイトピッキング」とも関連してきます。
オルタネイトピッキングとはどんな意味?練習方法や上達のコツを解説
一見シンプルなテクニックに思えるフルピッキングですが、特に速いスピードで行う場合は難易度が高く、上達するにはそれなりの練習が必要となります。
ギターがうまくなりたい人は、この記事で紹介する練習方法を確認したうえで、フルピッキングの練習にチャレンジしてみましょう。
この記事のポイント
フルピッキングの練習方法
フルピッキングを効果的に練習するためには、左右の手の使い方を意識することが重要です。右手でピックを持つ際には、握りしめすぎないように注意しましょう。ピックの先端1~2mm程度を弦に当てるようにして弾くのがコツです。
一方、左手は弦を押さえる指がしっかりと立っているかを意識しながら、同時に脱力した状態で動かすことがポイントとなります。この左右の手のバランスを取ることが、スムーズなフルピッキングの鍵となります。
この練習パターンでは、1つの弦を16分音符で弾き続けます。拍がずれないように意識しながら、なるべく早く弾けるように練習を重ねていきましょう。最初はゆっくりとしたテンポから始め、徐々にスピードを上げていくことで、着実にテクニックが身につきます。
フルピッキングの速弾きを練習するコツ
フルピッキングの速弾きを習得するためには、いくつかのコツがあります。具体的にどのようなコツがあるのかそれぞれ見ていきましょう。
右手と左手の動きを合わせる
フルピッキングがうまく弾けない原因の一つとして、右手のピッキングと左手のフィンガリングのタイミングがずれていることがあげられます。特にギターを弾く際は、フィンガリングのほうが早くなりがちです。
しかし、速いテンポでもスムーズに弾けるようになるためには、右手と左手を同時に動かすことが重要です。同時に動かすことを意識して練習することで、より正確な演奏が可能になります。
ピックは弦に対して平行で浅めに当てる
フルピッキングを練習する際は、抵抗を最小限に抑えるためにピックを軽く握り、先端が弦に当たるようにすることがポイントです。
さらに、ピックの角度が弦と平行になるように意識すると、ピッキングした時に音がくっきりと聴こえやすくなり、粒立ちの良いサウンドにつながります。
もし弾きにくさを感じるなら、平行に当てることを意識しながら順アングルで弾く方法を試してみましょう。この方法だと抵抗が少なくなり、手も動かしやすくなるのでおすすめです。
リラックスした状態で弾く
ピッキングの際に大きく動かしすぎるとスピードが落ちてしまうため、弦のふり幅や他の弦への移動は最小限の動きにになるよう意識してみてください。
その際に肩や手首、指に余計な力が入らないように、リラックスした姿勢を保つことを心がけましょう。
無理な力が入るとピッキングが不正確になり、疲れやすくなります。ただし、最初に動き方のコツをつかむために、あえて右手に力を入れて固定させた状態で弾く方法も効果的です。
動かし方のコツがつかめてきたら、徐々に脱力していくことで、より自然で効率的なピッキングに近づくことができます。
メトロノームを使って練習する
フルピッキングでは正確なリズムが求められるため、メトロノームを使って一定のリズムをキープできるように練習することが重要です。
特にフルピッキングは、アップピッキング(上から下へのピッキング)とダウンピッキング(下から上へのピッキング)を均等にすることが求められます。
練習では、どちらか一方に偏らないように、両方の動きを意識しながらチャレンジしましょう。まずは100以下のテンポから始め、徐々にテンポを上げながら、安定したピッキングを目指してみてください。
ハンマリング・プリングの練習もする
高速で演奏するフルピッキングは、ハンマリングやプリングの延長線上のテクニックと言えます。フルピッキングが難しいと感じるなら、まずはこれらの演奏をマスターしてから挑戦することがおすすめです。
いずれもフルピッキングの弾き方とは異なりますが、左手の動きの強化にもつながります。ハンマリングやプリングについては、以下の記事でも詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ギターのハンマリングオン・プリングオフとは?やり方や練習のコツについても紹介
まとめ
フルピッキングは、ギター演奏の基本であり、同時に高度なテクニックの基礎となる重要な奏法です。この記事で紹介した練習方法やコツを活用することで、フルピッキングの技術を着実に向上させることができるでしょう。
特に、右手と左手の動きの同期、ピックの適切な使用方法、リラックスした演奏姿勢、メトロノームを使った練習など、各ポイントを意識して取り組むことが重要です。また、ハンマリングやプリングなど、関連するテクニックの練習も併せて行うことで、より総合的なスキルアップが期待できます。
フルピッキングの習得には時間と忍耐が求められますが、着実に練習を重ねることで、必ず上達を実感できるはずです。この技術を身につけることで、あなたのギター演奏の幅が大きく広がり、より表現力豊かな演奏が身につくでしょう。