8フィンガー奏法は、左手の指だけでなく、右手の薬指や小指まで使うことで、複雑なフレーズや広い音域を素早くカバーできるテクニックです。8フィンガー奏法を取り入れた楽曲は、主に技巧派ギタリストによって演奏されます。
例えば、Joe Satraniのインストゥルメンタル曲では、この奏法が存分に活用されています。一見難しいテクニックに感じるかもしれませんが、練習を重ねれば超高速フレーズや複雑なアルペジオを自在に操れるようになります。
ギタリストとしてのスキルアップにも大いに役立つ技術と言えるでしょう。この記事では、8フィンガー奏法の基本的な弾き方から練習方法まで、詳しく解説していきます。
この記事のポイント
ギターの8フィンガー奏法のやり方
8フィンガー奏法は、右手と左手の両方を駆使して演奏する高度な技術です。ここでは、それぞれの手の役割と基本的な動きを詳しく説明していきます。
右手のやり方
8フィンガー奏法における右手の役割は、通常のピッキングとは大きく異なります。ここでは、フレットを押さえてタッピングを行うことが主な動作となります。右手の指を使うことで、左手では届きにくいフレットの位置にもアクセスできるようになります。
基本動作:
- タッピング
右手の指(通常は人差し指、中指、薬指、小指)を使って、フレットを叩いて音を鳴らします。左手のハンマリングオンと同じ動作ですが、より精密に行う必要があります。
- リリース
右手の指でタッピングした後、その指を弦から離し、プリングオフのようにして次の音を鳴らします。この動作が滑らかでないと、音が途切れてしまうのでスムーズに動かせるまで練習しましょう
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左手のやり方
8フィンガー奏法では、左手にも高い精度とリズム感が要求されます。右手もフレットを押さえるため、左手の動きはより繊細になります。
左手の基本動作は、ハンマリングオンとプリングオフです。
基本動作:
- ハンマリングオン
左手の指を使って弦を叩き、音を鳴らします。通常のフィンガリングと同じで、人差し指、中指、薬指、小指を使います。
- プリングオフ
ハンマリングオンの後、指を引っ張るようにして、別の音に移行します。これも通常のテクニックと同様ですが、8フィンガー奏法では右手との連携が重要です。
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ギターの8フィンガー奏法の練習方法
8フィンガー奏法の練習では、両手の連携を意識しながら一連のフレーズを弾いていきましょう。右手と左手が滑らかに交互に音を鳴らし、リズムが崩れないようにすることがポイントです。
以下のステップで練習を進めていきましょう。
- ステップ
- 左手で数音のハンマリングオンとプリングオフを行う(例:3フレット→5フレット)。
- その後、右手で高いフレットをタッピング(例:7フレット)。
- 両手が交互にタッピングとフィンガリングを繰り返し、音の流れが途切れないようにする。
これらの動作をリズミカルに交互に行うことで、8フィンガー奏法の基本パターンを作ることができます。繰り返し練習して、滑らかな動きを身につけていきましょう。
ギターの8フィンガー奏法を練習するコツ
コツを抑えながら練習を続けることで、練習の質が高まり効率的な上達につながります。ここでは、練習を成功させるためのコツをいくつか紹介します。
ゆっくりしてテンポから始める
8フィンガー奏法の練習は、最初から速いスピードで始める必要はありません。一つひとつの音を確実に弾けるようになるためには、ゆっくりとしたテンポから始めることが重要です。
低速で練習することで、左右の手のタイミングを合わせやすくなり、各指の独立性も養えます。
メトロノームを使って一定のテンポで正確に演奏できるよう、意識して練習しましょう。まずは60BPM程度の遅いテンポから始め、慣れてきたら徐々にスピードを上げていきます。焦らずじっくりと取り組むことで、確実な技術の向上につながります。
片手ずつ練習する
8フィンガー奏法では、特に右手でのタッピングが難しいポイントとなります。そのため、最初は片手ずつで練習する方法がおすすめです。
左手の練習では、ハンマリングオンとプリングオフを集中的に行います。音がはっきりと鳴るよう意識し、左手だけでフレーズを正確に弾けるようにしましょう。
一方、右手の練習では、各指でフレットをしっかり叩けるよう、ゆっくりとした動作から始めます。指ごとの動きを丁寧に確認しながら、徐々にスピードを上げていきましょう。
はっきりと音を出るように弦を押さえる
8フィンガー奏法は、片手で弾くときよりも音が弱くなりがちです。そのため、各指でしっかりと音が出るように意識しながら練習しましょう。
特に右手の薬指や小指は、普段あまり使わないためほかの指よりも弱くなりやすい傾向があります。これらの指を強化する練習を取り入れると、より均等な力で弦を叩けるようになります。
最初は右手の人差し指と中指を使い、慣れてきたら徐々に薬指や小指も使うようにしていきましょう。全ての指で同じ強さの音が出せるようになれば、表現の幅が大きく広がります。
力を入れすぎない
8フィンガー奏法の練習中、無理に力を入れて演奏するとすぐに疲れてしまったり、ミスが多くなったりする原因になります。練習の際はリラックスして自然な状態で弾くように心がけましょう。手に無駄な力が入っていると感じたら一度休憩を取ることも方法です
また、無理な練習を避けることで、怪我や腱鞘炎のリスクも減らせます。
まとめ
8フィンガー奏法は、ギター演奏の可能性を大きく広げる高度な技術です。両手の指を駆使したこの奏法を習得することで、複雑なフレーズや広範囲の音を素早く奏でることができるようになります。
練習する際は、無理なく力を抜いて取り組むことが大切です。また、片手ずつの練習やメトロノームを使った低速からの練習など、効果的な方法を取り入れることで、着実にスキルアップを図ることができるでしょう。
8フィンガー奏法の習得には時間がかかりますが、努力次第で素晴らしい演奏表現が可能になります。マスターしたい人はぜひこの記事を参考にチャレンジしてみてください。