2004年12月8日に凶弾に倒れたダイムバッグ・ダレル。PANTERA、DAMAGEPLANのギタリストとして活動し、現在もダイムバッグ・ダレルをリスペクトするギタリストは数知れません。プレイスタイルや機材を通してダイムバッグ・ダレルの魅力をご紹介しましょう。
この記事のポイント
ダイムバック・ダレルとは?
誰もがNIRVANAのSmells Like Teen Spiritのリフを弾いていた90年代。
そんな音楽シーンの中でメタルを掲げ、世界を熱狂させていたバンドがPANTERAでした。そんなPANTERAの中心人物であるダイムバッグ・ダレルとはどんなギタリストだったのでしょうか。
プレイスタイルや機材、人物像、シグネイチャー・モデルであるDIME-333のスペックなども解説いたします。
プレイスタイルやサウンド
メタルだけでなくグルーヴメタルやメタルコア、ジェントなどサブジャンルのメタルギタリストにも影響を与えるダイムバッグ・ダレル。そこにはメタルギタリストを引きつけるプレイスタイルやサウンドが関係しています。
ここでは具体的なプレイスタイルとサウンドに迫りましょう。
象徴的なハーモニクススクウィール
PANTERAの随所で聴けるキュイーーーンというハーモニクススクウィール。これぞダレルのトレードマーク!
ダレルを象徴するテクニックといえばハーモニクススクウィールでしょう。スクウィール(squeal)とは“悲鳴”という意味があり、アームダウン→ナチュラルハーモニクス→アームアップの手順で強烈な高音を出すテクニックです。
PANTERAの随所でそのハーモニクススクウィールを聴くことができるため、ダイムバッグ・ダレルを象徴するテクニックとなりました。
これまでにエディ・ヴァン・ヘイレンなどがハーモニクススクウィールを使っていましたが、サウンドのアクセントとして使う程度でした。しかし、ダイムバッグ・ダレルはさらに歪ませた攻撃的なサウンドで多くのギタリストを魅了しました。
さらにビジュアル面でも強烈な印象を与えています。ハーモニクススクウィールにはアーミングが必要ですが、ダイムバッグ・ダレルはアームバーをボディエンドに向けてアーミングしているんです。
これはライブパフォーマンスに欠かせない要素で、スティーヴ・ヴァイも同様のアーミングをしています。
ハーモニクススクウィールは人気の奏法ですので、You Tubeなどで解説動画が数多くアップされています。フロイド・ローズを搭載したギターをお持ちでしたら、ぜひマスターしたいテクニックです。
クラシック・グリップ
ネックを握り込まず指を伸ばしたクラシック・グリップは、テクニカル系ギタリスト特有のフォーム。ダレルもクラシック・グリップの使い手です。
ダイムバッグ・ダレルの印象的なフォームとして、クラシック・グリップがあります。これはギターのネックの握り方のひとつで、クラシック・グリップとはネックを握り込まずに指先でつまむように弦を押さえる方法です。
これはクラシック・ギタリストに見られるフォームであることから、クラシック・グリップと名付けられました。クラシック・グリップはフィンガリングがスムーズになりますので、テクニカル系のギタリストの定番フォーム。逆にネックを握り込むスタイルはロックグリップと呼ばれます。
クラシック・グリップは力を入れることが難しいため、チョーキングやヴィブラートがかけにくいというデメリットもありますが、ダレルは手首を使って豪快なチョーキングとヴィブラートをかけています。これは大きな特徴でしょう。
ダレルはテキサス出身で、ブルースやカントリーをルーツに持っています。そのようなギタリストがクラシック・グリップを使うことは意外ですが、これもダイムバッグ・ダレルのサウンドを構成する大きなポイントです。
ギターのツノを股に挟むフォーム
V系シェイプはアンバランス。でもダレルのようにギターの下のツノを股に挟むことで、安定して弾けます。
ダレルのシグネイチャー・モデルであるWashburn DIME-333。この攻撃的なボディシェイプは、フライングVの下半身とエクスプローラーの上半身を合体させたデザイン。このようなV系シェイプはメタルギターの定番ですが、下のツノを股に挟むギタリストを見たことがあるでしょう。
フライングVの使い手であるマイケル・シェンカーに代表されるフォームで、ダレルもそのひとり。ダレルがキッズ時代にマイケル・シェンカーにあこがれた可能性もありますが、これはボディバランスが関係しています。
DIME-333のようなV系シェイプのギターは、立って構えるとギターが前に倒れてしまいます。さらにリードプレイでは前かがみで指板をのぞき込むので、余計に倒れてしまうんです。
ギターの下のツノを股に挟むと、ギターがホールドされて安定したプレイができます。特徴的なフォームですが、それには明確な理由があるんです。
独自のA=431ヘルツチューニング
A=431ヘルツに合わせたチューニングで独自のヘヴィさを演出!
これまでにないヘヴィなサウンドで一斉を風靡したPANTERAですが、そのヘヴィさの理由はA=431チューニングにあります。本来のチューニングはA=440ヘルツなので、PANTERAのチューニングはやや低め。Ab=約415.3ヘルツですので、AとAbの間くらいの音程です。そのため“1/4音下”げと呼ばれることもあります。このチューニングがPANTERAのヘヴィさの肝。
僕は大学のバンドサークルでPANTERAのコピバンをやったんですが、いくら耳コピしても音がビミョーにズレるんです。当時の僕は難しいヘルツの意味が分からず、ギターを目分量で“約半音下げ”にしてムリヤリ耳コピしました。
ヘヴィさを出すために安易にダウンチューニングをするバンドが多い中、PANTERAのチューニングは衝撃的でした。
「俺たちはダウンチューニングしなくてもこれだけヘヴィなんだぜ!」
ダレルがそう言ってるような気がするんです。
「少しヘルツ変えただけじゃ意味ないでしょ」と思ってしまいますが、そのようなことはありません。一般的なJ-POPでも明るさを出すためにA=441~442ヘルツにすることはザラ。私たちは知らず知らずにヘルツの違いを耳にしています。
最近のチューナーやDAWはAのヘルツを変えることができますので、PANTERAのように自分の求めるサウンドに合わせたチューニングを探してもよいでしょう。その際はベースやキーボードも同じヘルツにチューニングしてください。
弦とピック
弦はハンドメイドで知られるDRのシグネイチャー。
ダレルは長年に渡ってDRの弦を使用していました。DRはハンドメイドにこだわったメーカーで、ダレルのシグネイチャー弦も販売しています。このシグネイチャー弦にもさまざまなゲージがありますが、ダレル本人は09-46を使用していました。ピックはJIM DUNLOPのTORTEX0.88mmで、こちらもシグネイチャー・ピックが販売されています。
ダイムバック・ダレルの使用機材の特徴
ギタリストであればフェイバリット・ギタリストの機材が気になるもの。こちらではダイムバッグ・ダレルの機材をご紹介いたします。
歴代のピックアップ
Bill LawrenceのL-500XLとSEYMOUR DUNCANのDimebucker。どちらもブレード型ポールピースが特徴。
ダレルのピックアップとして知られているのは、Bill LawrenceのL-500XLでしょう。これはL-500Lの出力をアップさせたモデルで、ブレード型のポールピースが特徴。これはチョーキングの音切れを防止する意味があります。ダイムバッグ・ダレルはリアにL-500XL、フロントにDiMarzioのSuper Distortionを乗せていました。
Super DistortionはKISSのエース・フレイリーが使用していたピックアップで、ダイムバッグ・ダレルはエースの大ファン。サウンド面だけでなくエースを意識して使用していたのかも知れませんね。L-500シリーズはダイムバッグ・ダレルのほかにも、ヌーノ・ベッテンコートが使用したピックアップです。
L-500は僕も使用したことがあるんですが、低音にキレがあるものの高域に潰れたようなクセがあり、結局使いこなせませんでした…。
その後はフロントにSEYMOUR DUNCANのPAF系で知られる59を乗せていました。そして、2001年にはSEYMOUR DUNCANからシグネイチャー・モデルのDimebuckerが発売され、リアに使用しています。DimebuckerはL-500XLと同様にブレード型で、非常によく似たルックスです。
ダウンチューニングでも音が潰れずハーモニクスも出しやすいため、ジェントやメタルコア系のギタリストにも好まれています。
エフェクターのこだわり
Whammyをフレーズに取り入れ、Guitar Silencerでタイトなサウンドに。
ダイムバッグ・ダレルの使用エフェクターの中でトレードマークといえばDIGITECH のWhammyでしょう。ペダルによってピッチをコントロールする飛び道具系エフェクターですが、リフやソロに取り入れることで飛び道具を超えた使い方をしています。
また、シグネイチャー・モデルのエフェクターもリリースされており、MXRのDIME DISTORTION、Jim Dunlopの DIMEBAG WAHなどがあります。DIMEBAG WAHはピークやレンジの調整ができるので、実はメタル以外にもロックやファンクでも使えるワウです。
WHAMMY 4 【エフェクター】
そしてダイムバッグ・ダレルのエフェクターを語る上で、ROCKTRONのGuitar Silencerを忘れてはいけません。PANTERAはシャープで切れ味の鋭いサウンドが特徴ですが、そこで役立つのがこのエフェクター。ノイズゲートとノイズリダクションの両機能を持ち、余計なノイズをカットしています。
しかし、ノイズゲートを強くかけてしまうとギターのアタックが損なわれ、エッジがなくなってしまいます。そのためダイムバッグ・ダレルは曲中のブレイク時に、ギター側のボリュームもゼロにしているんです。これによって完全な無音を作り、よりタイトなサウンドに仕上げています。
トランジスタアンプへのこだわり
RANDALLのトランジスタアンプによって立ち上がりが速く、攻撃的なサウンドに。
ダレルは長年に渡ってRANDALLのトランジスタ(ソリッドステート)アンプを使用していました。
トランジスタアンプは硬いサウンドが特徴で、分厚いメタルサウンドを出すことは困難。メタルでは暖かく厚みのあるサウンドが出せる、真空管アンプが常識と考えられていました。
ところがダレルはその硬さを利用して立ち上がりの速いサウンドを出していました。ダレルの攻撃的なリフはトランジスタアンプによるものです。
また、真空管アンプは扱いがデリケートで、定期的に真空管を交換しなければなりません。しかしトランジスタアンプは環境に左右されず安定しています。
さらに「RANDALLのトランジスタアンプはビルから落としてもビクともしない」とダレルが語るほどタフなアンプでした。ライブではRANDALLを複数セッティングし、サウンドごとにスイッチングする様子が確認できます。
Randall RM100 ランドール ヘッドアンプ
しかしPANTERA解散後に結成されたDAMAGEPLANでは、KRANKの真空管アンプの導入も検討していたようです。また、RANDALLはトランジスタアンプ専門のイメージがありますが、真空管アンプもリリースしています。
ダイムバック・ダレルの人間性
ダイムバッグ・ダレルは多くのギタリストから愛されましたが、プレイだけでなく人間性も関係しています。こちらではその人物像をご紹介しましょう。兄でありPANTERAのドラマーでもあるヴィニー・ポールについても解説します。
兄であるヴィニー・ポールとの関係
ダイムバッグ・ダレルと、兄であるドラマーのヴィニー・ポールによって結成されたPANTERA。PANTERA解散後も兄弟でDAMAGEPLANを結成し、兄弟ならではのコンビネーションを発揮しました。こちらではヴィニー・ポールとの関係に迫ります。
ヴィニー・ポールのドラミング
ヴィニーのバスドラサウンドと兄弟の強固なコンビネーション。これらがPANTERAサウンドを構成しています。
PANTERAサウンドを語る上で、ヴィニー・ポールのバスドラを欠くことはできません。ゴムボールをコンクリートに叩きつけたような、ビタ!ビタ!というバスドラサウンドはPANTERAのトレードマークです。この攻撃的なサウンドを好むドラマーは現在も少なくありません。
そしてダレルとヴィニーの父はスタジオを所有するカントリー系ミュージシャンで、PANTERAの1stアルバムのプロデュースも手掛けています。そういった環境で育った兄弟ですから、同じ音楽を吸収していました。これによる兄弟のコンビネーションは強固で、特に16分のバスドラとギターの刻みの一体感は尋常ではありません。
MEGADETHからの誘い
ダレルはメタルシーンの最重要バンド・MEGADETHから誘いを受けています。もし加入していたらどうなっていたのでしょう?
MEGADETHのリーダーであるデイヴ・ムステインは、1988年ごろにダレルをMEGADETHに誘っています。その当時のMEGADETHは前任者を解雇したことで、ギタリストとドラマーが不在。そこでダレルのプレイに惚れ込んでいたデイヴは、MEGADETHへの参加を要請しました。
その誘いに「アニキのヴィニーと一緒ならいいぜ!」と答えるダレル。この時点でMEGADETHのドラマーはニック・メンザに決まりかかっていたため、結局ダレルは加入に至りませんでした。
ちなみにその後ギタリストとして正式加入したのがマーティ・フリードマンです。もしダレルが加入していたらメタルの歴史は大きく変わっていたことでしょう。
ダレルがプレイするMEGADETHも聴いてみたいですよね!リハの音源が残ってそうな気もするんですが、ブートでも出回ってないんですよ。残念。
初期のPANTERAとは?
1st~4thアルバムをご存知ないPANTERAファンも多いのでは?歴史から抹消されたアルバムたちをご紹介します。
PANTERAの代表アルバム『Cowboys from Hell』。これがデビュー・アルバムと思っている方も多いのですが、実は5thアルバムなんです。PANTERAには歴史から抹消された1st~4thアルバムがあります。
3rdアルバムまではテリー・グレイズなるヴォーカリストで、正直パッとしないハードロック。4thアルバムからはご存知フィリップ・アンセルモが加入し、Judas Priest直系の正統派メタルサウンドとなりました。4thアルバムはメタルアルバムとしてハイクオリティであるものの、後のモダンなPANTERAとは大きく異なります。多くのファンは肩透かしを食らうでしょう。
現在1st~4thアルバムはPANTERAの歴史から消されており、正式にCDは販売されていません。メンバーにとって黒歴史になっているようです。稀に中古ショップや輸入盤専門店で見かけますが、それらはすべてリプロ盤と呼ばれる海賊盤です。それを覚悟の上で購入しましょう。
フィリップ・アンセルモ加入後の4thアルバムは、個人的に正統派メタルとしてかっこいいと思うんですけどね。フィリップの貴重なハイトーンも聴けますし。
名前の由来
ダイムバッグ・ダレルというステージネームですが、その名付け親はなんとNIRVANAのカート・コバーン!
ダイムバッグ・ダレルの本名はダレル・アボット。デビュー当時はダイアモンド・ダレルのステージネームで活動をしていました。ではなぜダイムバッグ・ダレルと名乗るようになったのでしょうか。これはNIRVANAのカート・コバーンが名付けたと言われています。
カートはダレルに対し「ダイアモンド・ダレルなんて名乗ってるけど、お前はダイムバッグの方が似合ってるよ」と言ったそうです。“ダイムバッグ”とは“10ドル程度のマリファナ”という意味があり、カートらしいセンスでしょう。ダレル自信も気に入ったため、1994年の『FAR BEYOND DRIVEN(悩殺)』からダイムバッグ・ダレルと名乗るようになりました。
イングヴェイとのドーナツ事件
イングヴェイをおちょくったドーナツ事件。PANTERAメンバーの陽気なキャラクターが分かるエピソードです。
ダレルをはじめとするPANTERAのメンバーは陽気なキャラクターで知られています。それを象徴するエピソードといえば、イングヴェイ・マルムスティーンとのドーナツ事件でしょう。
イングヴェイは速弾きギターの王者ですが、それと同時に気難しい性格で有名です。そんな性格を知っているPANTERAのメンバーは、駐車場からスタジオに入るイングヴェイにドーナツをプレゼント。
「ドーナツはいかが?」
「カメラを止めろ!俺はドーナツが大嫌いなんだ!」
プリプリと起こりながらエレベーターに乗るイングヴェイ。それを見てケタケタと笑うPANTERAのメンバー。この映像はDVD『パンテラ映像全集』に収録されています。昔の電波少年のようなノリで、PANTERAファンなら必見です。
ダイムバッグ・ダレルの死
ダイムバッグ・ダレルの死はあまりに突然でした。R.I.P.
メタルシーンを代表するギターヒーローのダレルですが、2004年12月8日に38歳という若さで人生を終えています。それはPANTERA解散後に結成したDAMAGEPLANでのライブ中のこと。元海兵隊員であるネイサン・ゲールが発砲し、即死だったそうです。12月8日は奇しくもジョン・レノンの命日でもあります。
ダレルの死は朝の情報番組・とくダネでも紹介され、僕もリアルタイムではっきりと観ています。
「いや~、ダイムバッグ・ダレルは偉大なギタリストでしたね」
「お前、絶対知らないだろ!」
テレビの小倉さんに向かってツッコんだことも覚えています。
ダイムバッグ・ダレルは過去のインタビューでこう語っていました。
「“ヘヴィメタルは死んだ”と言った奴らにはこう言ってやる。“お前らやり損なったな”ってね」
メタルが死に絶えたと思われた90年代に、この言葉は世界中のメタルヘッズ(熱狂的メタルファン)の支えとなっていました。R.I.P.
Washburn DIME-333
ダイムバッグ・ダレルのシグネイチャーはDEANのイメージがありますが、かつてはWashburnが販売していました。ダレルをリスペクトするギタリストであれば、スペックや弾き心地が気になるもの。こちらではスペックと僕なりのレビューをご紹介いたします。
Washburn DIME-333のスペック
Washburn が販売していたダレルのシグネイチャー・モデルは、DIME-3とDIME-333があります。僕の所有するDIME-333は下位モデルの韓国製。スペック面では劣っていますが、十分なメタルサウンドが出せるので気に入っています。その具体的なスペックをご紹介しましょう。
ボディの木材
DIME-333のボディの木材はアルダーです。アルダーはFenderが多くのギターやベースに採用されており、安価で加工が簡単というメリットがあります。
アルダーはクセが少ないという特徴がありますので、アンプのEQが素直に反応する印象ですね。
ネック
DIME-333のネックはマホガニーで指板はローズウッドですので、レス・ポール系の木材です。スケールは24 3/4インチでこちらもレス・ポールと同様。セットネックでシェイプもレス・ポールによく似ていますので、レス・ポールを意識しているのではないでしょうか。
ピックアップ
DIME-333にもランク分けがされているようです。
上位モデルはダレルと同様にリアにBill LawrenceのL-500XL、フロントにSEYMOUR DUNCANの59がマウントされています。しかし、僕のDIME-333は下位モデルらしく、Washburnオリジナルのピックアップがマウントされていました。
僕はリア、フロント共にSEYMOUR DUNCANのSH-6に交換しています。
最初にマウントされていたWashburnオリジナルのピックアップですが、リアは残念ながらパワー不足。しかし、フロントは抜けのよいサウンドで気に入っていました。まだ手元にあるのでどこかで使おうと思っています。
トレモロとペグ
DIME-333のトレモロはフロイド・ローズですが、TAKEUCHI製のライセンス・モデルです。Made in Germanyのオリジナルと比べるとやや精度が落ちますが、それほど不自由は感じません。
ザグリ加工もされているので派手なアームアップも可能。ハーモニクススクウィールもしっかり出せますよ。ペグはGROVERだったのですが、弦交換を楽にするためGOTOHのマグナムロックに換装しています。
マグナムロックは個人的に大好きなペグなんですが、あまり知られていないことが残念です。
コントロール
DIME-333のノブはフロントボリューム、リアボリューム、トーンとなっており、セレクターは3WAYです。
ちなみに、僕は分かれているボリュームが苦手で、マスターボリュームとマスタートーン、そしてキルスイッチに改造しました。
キルスイッチは押している間だけ無音になるので、スイッチング奏法ができます。これは変態ギタリストのBucketheadにあこがれて改造したんですが、全然使いこなせていません…。
Washburn DIME-333のレビュー・評価
とにかく強烈なビジュアルのギターですが、レス・ポール系の弾きやすいギターです。
DIME-333の特徴は何より派手なボディシェイプでしょう。しかしこれだけの変形ギターでありながら膝に乗せて弾けますし、ネックはレス・ポール系のスタンダードなシェイプ。イメージするほど弾きにくいギターではありません。
レス・ポールに慣れたギタリストであれば意外とすんなり弾けると思います。
でもセレクターの位置は問題ですね。僕はリードプレイで何度もリアとフロントを切り替えるんですが、セレクターが遠いんですよ。
やっぱりストラトのように小指で操作できる位置が理想です。右手では位置が遠いので、ライブ中は左手でセレクターを操作することもあります。
ひと目でメタルを感じさせるボディシェイプと、ダイムボルトと呼ばれるペイントですが、これにも問題があります。はっきり言って、一歩間違えるとジョークになってしまうんです。ダレルをリスペクトしてメタルを愛する僕ですが、最初は少し抵抗がありましたから。
ジョークに思われないためにはテクニックでカバーするしかありません。そのため練習に身が入るギターだと思いますよ。
Washburn DIME-333の買取価格
楽器の買取屋さんはWashburnのDIME-333を高額買取しています。過去、青森県弘前市のお客様から宅配買取にて96,300円で買取しました。
「ダイムバック・ダレルのファンでDIME-333を弾いていたが、何らかの事情でギターを売りたい」そんな方は楽器の買取屋さんへお問い合わせください。
Washburn/ワッシュバーン エレキギター DIME-333 Trendkill Dimebag Darrell