ギブソン・フライングVは特徴的なそのフォルムから、ロックスターを象徴するギターとして名高いモデルです。そんなフライングVですが、中古市場で買取相場は一体どのようになっているのでしょう?高価買取が期待できるモデルや生産時期ごとでの買取価格の違いなど、細かく解説します。
この記事のポイント
Gibson (ギブソン)・フライングVの買取相場
The Zakk Wylde Frying V CustomやGibson Rudolf Schenker Flying Vなど、世界的なギタリストのアーティストモデルは高値での買取が期待できます。また、ギブソン・フライングV2やギブソン・リバースフライングVなどの限定生産品も高価で取引される傾向にあります。
以下の表はフライングVの中でも高価買取となった一部の事例です。傷や状態に寄っても価格は変わるものの、高価買取となるケースにはこのような額になるものもあります。
Gibson Flying V | ¥280,000 |
---|---|
Gibson Flying V | ¥230,000 |
Gibson Flying V 67 CUSTOM | ¥80,000 |
Gibson flying V | ¥50,000 |
Gibson USA
Gibson Custom Shop新たな技術も次々とギター作りに採用しているギブソン・USA。ジョニー・ウィンターやマイケル・シェンカーなど、著名なアーティストにも愛用されたギブソンUSA フライングV 67は未だに高い人気を誇ります。また、67年モデルを忠実に再現したリイシュー・モデルも高値が期待できるモデル。1958年製 Gibson FLYING Vも生産本数が少ないことから希少価値の高いギターです。
レスポールに代表されるソリッドギターのほか、アーチトップギターを専門とするブランド。ザックワイルドのシグネイチャー、The Zakk Wylde Frying V CustomやCUSTOM SHOP Historic Collection 1959 Flying Vなどが代表的です。
高値の買取価格が期待できるギブソン・フライングVとは?
ギブソンといえばレスポールのイメージがありますが、フライングVも高い人気を誇ります。特に高値がつきやすいのは、限定生産されたモデルや数の少ないモデルです。特に生産終了品やビンテージ品などであれば、いくら出しても欲しいという方が大勢いるギターと言えるでしょう・
限定生産モデルなどのレアなフライングVは高値で取引される
やはり高値で売れるのは限定生産モデルです。生産本数の少ないHistoric CollectionのモデルややメダリオンVなどはかなりの高値で売買されることが珍しくありません。また、リバースフライングVや79~82年のあいだだけ生産されたいたフライングVもレアなので高値がつきやすい傾向にあるでしょう。
ビンテージモデルを忠実に再現したモデル・Historic Collection
伝説的とも評されるかつてのビンテージモデルは、今でも喉から手が出るほど欲しがる方がたくさんいます。そんな伝説的なビンテージモデルを忠実に再現したHistoric Collectionなら、十分高値が期待できるでしょう。
クルーソンペグや1Pマホガニーなど、かつてのスペックを忠実に再現しているのはファンにとってうれしいポイント。True Historicと同様のパーツを搭載し、オリジナルモデルとほぼ同じスペックだからこそ高価買取につながりやすくなります。
1971年に限定生産されたフライングV・通称"メダリオンV"
1971年に約350本だけ生産されたといわれるメダリオンV。流通している絶対数が少ないため、現在でも非常に高い価値を持つギターです。マホガニーボディから生み出されるサウンドは、ミドルレンジがとても豊かで、この音に惹かれるギタリストは少なくありません。見た目の希少価値が高いだけでなく、このサウンドも高値がつきやすい理由として挙げられます。
メダリオンVは、ギブソンが本格的にフライングVの再生産を始めるきっかけになったギターでもあります。つまり、ギブソンやフライングVの歴史を語る上でも非常に重要なギターなのです。そうした歴史的な背景もあるため、高値で取引されています。なお、発売当初から日本でも人気が高騰し、グレコからもコピーモデルがリリースされていました。
1979~1982年だけの限定生産・フライングV2
ギブソンのフライングVの中でも異端児と呼ばれることもあるフライングV2。わずか数年のあいだだけ生産されたモデルで、市場に流通する数がとても少ないモデルです。ボディーとネックにメイプルとウォルナット材を使用し、専用ピックアップを搭載しているのが特徴。実用性を重視したブーメランテールピースなど、これでもかと特注パーツを搭載しているのが高値で取引される理由です。
フライングV2は80年代のものが多い傾向にあり、そのため初年度のモデルは特に高値がつきやすい傾向にあります。この時代は多彩なコンセプトのギターが次々とリリースされていた時期でもあり、新興のカスタムメーカーに負けるものかとギブソンはフライングV2をリリースしました。そうした背景もあり、今でも熱狂的なファンの絶えないモデルです。かなり古いモデルですが、コンディション次第ではさらなる高価買取も期待できます。
限定400本生産のリバースフライングV
一見すると矢のような形に見える独特のフォルムが印象的なモデルです。名前通り、ボディ部分をリバースさせているのが特徴で、世界限定400本しか生産されていません。流通している絶対数が少ないため、現在でも熱心なコレクターが収集しているモデルでもあります。スペックについても、ギブソン伝統の’57 Classic Humbuckerを搭載し、ビンテージ材を使用しているのも人気の理由といえるでしょう。
奇抜なデザインですが、サウンドはギブソン・フライングVらしい王道のサウンド。エボニー指板の採用により、ローズ指板のフライングVよりもさらにタイトなキレのよいサウンドが魅力的です。
シグネチャーモデルのフライングVも買取需要が期待できる
ロックンロールの象徴としても名高いフライングVですが、印象的な使用ミュージシャンについては、シグネチャーモデルが販売されているものがあります。アーティストのファンであることをきっかけにフライングVを購入する方も多く、このようなシグネチャーモデルは高値で取引されています。
ザックワイルドモデル:The Zakk Wylde Frying V Custom
レスポールのシグネチャーモデルでもおなじみの、特徴的なデザインが印象的なギターです。限定生産されたモデルなので、それだけでも希少価値が高いといえます。レスポールカスタムを彷彿とさせるダイアモンドヘッドインレイや、トレードマークでもあるブルズアイフィニッシュはファンなら喉から手が出るほど欲しい一品です。
また、従来のフライングVとは異なり、フロイドローズトレモロを搭載しているのも特徴的。ヘッドの裏にはザックワイルドの直筆サインも入るなど、記名性も高い一本です。
ルドルフ・シェンカー(スコーピオンズ)モデル:Gibson Rudolf Schenker Flying V
フライングVを操るギタリストといえば、誰もがマイケル・シェンカーを思い浮かべるでしょう。このギターは、そんなマイケル・シェンカーの兄であるルドルフ・シェンカーのシグネチャーです。こちらも限定生産の希少なモデルです。
また、機種名では兄のシグネチャーとなっていますが、弟マイケル・シェンカーも兄のこのギターを用いて演奏を行う機会は多かったようで、実質兄弟2人のシグネチャーモデルとも言えるかもしれません。マイケル・シェンカーのモデルと併せてコレクションしたいと考える方も少なくないため、需要は期待できるでしょう。
ジミヘンドリックスモデル:Jimi Hendrix Flying V、Psychedelic Flying V
エレキギターの常識を覆したといわれる、伝説的なギタリスト、ジミヘンドリックス。演奏力はもちろん、圧倒的なパフォーマンスで歴史に名を刻みました。そんな偉大なギタリストのシグネイチャーモデルなので、今でも高い人気を誇ります。どちらも元の価格が高く、世界中に大勢のファンがいることから高値での買取が期待できるでしょう。
Jimi Hendrix Psychedelic Flying Vは、ジミヘンドリックス施したハンドペイントが再現された見た目も美しいモデルです。67~68年のヨーロッパツアーなどで使用されており、いくつかの映像などにも残る、ジミヘンドリックスを象徴するフライングVとも言えます。275本限定で生産されたモデルのため、希少価値も高く、高値で取引されるフライングVの一つです。
年代別に見るビンテージフライングVの買取価格とは
フライングVのビンテージモデルも高い人気を誇ります。ここでは、特に希少価値が高いといわれる58年~59年生産のモデルで、70年代生産のモデルを中心に、年代別のビンテージモデル買取価格を見ていきます。
58~59年製、66~67年製はそもそもの生産本数がごくわずか
これらの年代に生産されたフライングVは非常に希少価値が高いといえます。それもそのはずで、50年製に関しては出荷本数が98本で、60年製も113本と非常に少ない数しか出回っていません。50年製にいたっては世界人口の1億分の1.26人しか所有できないほど、非常に希少な存在です
また、著名なアーティストが愛用していたことも人気に拍車をかけています。Mick Marsやルドルフ・シェンカーなど、世界的なアーティストが愛用していたのがこの時代の個体です。日本でも斉藤和義氏や奥田民生氏などが手にしたことがあるという、まさに伝説的なモデル。そのサウンドを耳にする機会も多いことから知名度も高く、コレクターのあいだでも圧倒的な人気を誇ります。
フライングVの弾きやすさやスペックを徹底レビュー
70年代製も人気が高く高価買取が期待できる
この年代のフライングVは、50~60年代に比べると生産数は多いものの、いまだに価値は落ちていません。前述のメダリオンが誕生し、エボニーやアイボリー、サンバーストなどのフィニッシュのバリエーションが増えたのもこの時期です。70年代であっても、希少価値が高いモデルなので、高額査定は十分期待できるでしょう。また、この時代はグラムロック全盛期でもあります。マーク・ボラン(T.Rex)やポール・スタンレー(KISS)といった著名なアーティストが使用していたという時代背景もあり、当時のモデルを求めるギタリストなどからの需要も高いです。
買取価格に影響を与えるフライングV特有の改造や状態
フライングV特有のカスタマイズやコンディションによって、買取価格が大きく変わってくることがあります。トレモロユニットの搭載、トラスロッドカバーの変更などがそれに該当します。
ショートヴァイブローラやビグスビーなどトレモロユニットの搭載
ショートヴァイブローラやビグスビーブリッジなどといったトレモロユニットを搭載したギターだと、買取価格が高くなる可能性があります。例えば、V7-VW フライング-V ウィング・キットでヴィブラートテールピースを搭載するようなカスタム。一般的なフライングVには搭載されていないだけに、希少価値を高められるケースもあるでしょう。
ただ、トレモロユニットの改造の場合、ボディに穴をあける工程が必要になるため、施工の跡が汚かったり、上手く設置できていない場合には買取価格へ影響してしまう場合があるかもしれません。
トラスロッドカバーの変更
モデルによっては、トラスロッドカバーのサイズが小さく、2点留めのものもあります。実際、Japan limitedではこのトラスロッドカバーがについて、賛否両論があったとも言われています。ヘッドのシェイプにマッチした、3点留めのトラスロッドカバーに変更するなどの改造を行っている場合、買取価格に影響する可能性があります。
ただ、こちらもヘッドへの加工が必要になるため、注意が必要なポイントではあります。元々ついていた純正パーツなども控えておけば、買取価格も下がりにくいです。
Gibson (ギブソン)フライングVを買取査定に出す場合に注意したいこと
購入時からかなりの時間が経っているものや、コンディションが悪化しているようなモデルだと注意が必要です。また、ピックアップを改造している場合もマイナス査定になってしまう恐れがあるので気を付けましょう。
よくある質問
楽器の買取屋さんはフライングVを高額買取
楽器の買取屋さんではギブソンのフライングVを高額買取いたします。家に眠っているフライングVをお持ちでしたらぜひ当店までお問い合わせください。